『スカーレット』を見ていて時々ストレスを感じる。主人公喜美子のお父ちゃんの存在である。


主人公喜美子の父を演じる北村一輝 ©AFLO

 飲んだくれで出来そこないの父ちゃん、なんてのは朝ドラのお約束で、そんな父ちゃんが根はいいヤツで最後は泣かせてくれるのがもっとお約束なのもわかりきっている。『スカーレット』の父ちゃんだって絶対そうに決まってる。

 しかし。父ちゃんが怒鳴ると身がすくむ。なんというかゴムでバチッとやられたみたいな痛さで。

 喜美子が成長して気の強い長女になって父ちゃんとやり合うようになっても、父ちゃんの怒鳴りは脇腹つねられるような鈍痛を感じさせていやーな気持ちになる。そして常に、父ちゃんの横で薄い表情で困惑している母ちゃん。

 いや、だから、わかってますよ、この父ちゃんが愛すべき困ったやつなのは。理屈の通らないことを怒鳴り散らしてるのも、父ちゃんには父ちゃんのツライことがあってそうなっちゃってるんだ、っていうあたりを、ドラマはちゃんと描いてるし。「何生意気なこと言うとんじゃ!」と怒鳴りながら父は娘を愛してるし、娘は父親を「困ったやっちゃな」と思いながら結局受け入れてるし、それを静かに微笑みながら見ている母ちゃん。ビンボーでケンカばっかやけど仲はええねんでウチらは! こういう家庭だから喜美子みたいな子が育ったんや! それを丁寧に描き出します、それがBK(NHK大阪局)の朝ドラやねん! 父ちゃんで泣かすために父ちゃんのダメっぷりを誇張するほど表現しとんねん!