優香に次ぐ志村の鉄板パートナーと言いたいのが伊藤沙莉

 研ナオコ、いしのようこ、優香に次ぐ志村の鉄板パートナーと言いたいのが伊藤沙莉。若手女優の急先鋒である彼女だが、2016年に『となりのシムラ』、2018年に『スペシャルコント 志村けん in 探偵佐平60歳』で志村と共演している。

『となりのシムラ』ではビールとタバコを買おうとする“どう見ても高齢期まっただなかにいる志村”に対して冷静に年齢確認を迫るコンビニ店員、『スペシャルコント 志村けん in 探偵佐平60歳』では私立探偵の志村よりも頭脳明晰な助手に扮した。優香を凌ぐ44歳差という祖父と孫レベルの年齢差をものともせずに、志村をアタフタさせてしまう役柄をこなしてしまう姿は痛快ですらあった。

 志村も『探偵佐平60歳』出演時のコメントで「『となりのシムラ』では、彼女はコンビニのレジの役だったんですが、さらっと演じるな、うまいなと思っていました。基本的に僕がやっているのはダメな探偵ですから、事務所の運営についても、謎解きに関しても全部助手に先を越されている。彼女がしっかりしているという設定なのですが、その辺がうまいですね」と彼女を絶賛しているほどだ。

 志村は朝ドラ『エール』で俳優という新たなフェーズに踏み出していただけに、コントはもちろん俳優同士として映画やドラマでもまた共演をなどと考えていたかもしれない。そして、それが実現するのを見たかった。

女性の共演者に対する志村流の「オーディション」

 志村の愛弟子であった乾き亭げそ太郎氏の著書『 我が師・志村けん 僕が「笑いの王様」から学んだこと 』(集英社インターナショナル、2月26日発売)によると、女性の共演者に対する志村流のオーディションがあったという。

「初めて共演する女優さんや女性タレントさんとの顔合わせのとき、志村さんは『オナラ』で相手のリアクションを見ていました。押すと『プッ』と音が出るオモチャを隠し持っていて、普通に話しながら鳴らすのです。笑う人もいれば、眉間にシワを寄せる人もいます。気づかないフリをする人もいます。これはいわばオーディションのようなもので、『オナラで笑う人はコントに向いている。よく笑うってことはお笑いが大好きな証だ』というのが志村さんの考えでした」

 いしのようこ、優香、伊藤沙莉、磯山さやか、みひろ、足立梨花……共演してきた女性たちが放屁音を聞かされていたかと思うと微笑ましくなるが、もう志村と女性のコンビが誕生することがないという現実がたまらなく悲しい。

(平田 裕介/文藝春秋 digital)