今振り返ると、かつてのジャニーズはスター性のある特定の数人を選抜し、ドラマ主演や冠番組など、えりすぐりの仕事に抜擢して人気を集中させる戦略だった。だからこそ、SMAPや嵐というモンスター級のアイドルグループが生まれたのだろう。しかし現在は、見たことがない大量のジャニーズが、入れ代わり立ち代わりで露出しているため、ジャニーズファン以外はいつまで経っても誰の顔も覚えられないのだ。

大化けしたキンプリ・平野紫耀の資質

 そんな中、一般ウケの最後の砦となっているのはおそらくKing & Princeだろう。なかでも平野紫耀が旗手となっている。

 正直、平野がここまで一般人気を獲得すると予測できたファンは少ないのではないだろうか。Jr.時代はアイドル誌『Myojo』の「Jr.大賞」で、「恋人にしたい」部門で5連覇した元King & Princeの岩橋玄樹と、同じくKing & Priceの永瀬廉、岸優太という3強に勝てなかった。彼は長らく“4番手”だったのだ。

 それは平野がジャニーズ事務所に移籍する前、すでに「BOYS AND MEN」でアイドルとして活躍していたことも影響しているように思う。幼い頃にオーディションを受けて、Jr.として修業を積む“生粋のジャニーズっ子”がメインストリームを占めるジャニーズにおいて、平野は完全な傍流だった。

 しかし故ジャニー氏は平野のスター性に気が付いていたのだろう。デビューシングル「シンデレラガール」では平野がセンターに抜擢され、主題歌となった連続ドラマ『花のち晴れ』(TBS系・2018年)では主演・杉咲花の相手役を務めた。“他者が見出した、完成している子”は推さないと言われるジャニー氏が平野を寵愛したのは、子役出身のスペオキ(スペシャルなお気に入り)、堂本剛に並ぶほど異例なケースだったと思う。

 

 平野は小柄で可愛いタイプを好むジャニーズファンを虜にする一方で、抜群の身体能力とダンスパフォーマンス、表現力も兼ね備えているため、“体育会系”“肉体派”のファンからの支持もあつい。おまけに「松村雄基に似ている」など、昭和的な男の香りを感じて好感を抱く中高年女性もいる。

 また、「ビジネス」と一部で囁かれている天然キャラ(?)ぶりや、「小学生の頃に、いろいろな友人の家を渡り歩いて麦茶をもらっていた」という人懐こさや器用さも、バラエティ番組で活躍するにはもってこいの資質だ。

 それぞれ異なるファン層が交わる場所が平野であり、それゆえに“一般ウケ”しているのだ。平野の存在は、King & Prince がSMAPや嵐に続くのではないか、と期待を抱かせてくれる。