〈あらすじ〉

奴隷制度を信奉する南軍の旗が掲げられたアメリカ南部のプランテーションで、黒人女性のエデン(ジャネール・モネイ)は過酷な労働を強いられていた。監視役の白人から加えられる暴力や虐待を耐え忍び、エデンは奴隷仲間とともに脱出を試みる。一方、リベラル派として知られるベストセラー作家のヴェロニカ(モネイの二役)は、優しい夫、幼い娘と3人で、幸せに暮らしていた。ある日、エリザベスと名乗る謎めいた白人女性からのオンライン取材をこなした後、講演会のために単身ニューオーリンズを訪れる。講演会と友人たちとのディナーを終えたヴェロニカを、恐ろしい罠が待ち受けていた。

〈解説〉

シンガーとしても知られるジャネール・モネイが悪夢のような体験をする2人の人物を演じる、謎がちりばめられたスリラー作品。ジェラルド・ブッシュ&クリストファー・レンツの監督ユニット初の長編映画。106分。

中野翠(コラムニスト)

★★★☆☆過去と現在の往還という構成で人種差別を糾弾。今なお差別が、というアピールも。ドラマ的にはハデだが型通りの感も。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆あくどくてあざとくて無理も目立つが、ケレン味たっぷりの度胸に点が甘くなった。役者をもっと信頼してほしかったが。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆冒頭から完全に騙された。伏線に気づくだけでも、展開を読む楽しさ以上の衝撃あり。この恐怖を描いたセンスが凄い。

森直人(映画評論家)

★★☆☆☆『ゲット・アウト』や『アス』の水準を期待するとツラい。見せかけのパワーに終始し、特にユーモアの欠如が致命的か。

洞口依子(女優)

★★★★☆アンテベラムとポストベラム。未だ終わらない米国のそれを体現するJ・モネイ。J・ピールとシャマランの申し子か!


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INFORMATION

『アンテベラム』(米)
11月5日(金)より全国ロードショー
https://antebellum-movie.jp/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年11月11日号)