〈あらすじ〉

イラク第二の都市モスルは、長引く紛争で荒廃しきっていた。21歳の新人警察官カーワ(アダム・ベッサ)は、任務中にISIS(イスラム過激派組織)に襲われ、目の前で叔父の命を奪われる。救出に来たSWAT部隊を率いるジャーセム少佐(スヘール・ダッバーシ)は、その場でカーワを部隊に徴兵する。全員が身内をISISに殺された、十数名の元警察官で編成されたその部隊は、本部からの司令を無視し、独自の任務を遂行していた。カーワは任務の内容を明かされないままに、ISISとの激しい戦闘に突入する。多くの犠牲を払いながらもISISの要塞に向かう、SWAT部隊の真の目的とは……?

〈解説〉

2017年に雑誌に掲載された、イラクに実在するSWAT部隊に関する記事をもとにした戦争アクション。『ワールド・ウォーZ』などの脚本で知られるマシュー・マイケル・カーナハンが、自身の脚本で監督デビューを果たした。102分。

中野翠(コラムニスト)

★★★☆☆風景も人も褐色の世界。これを102分、見続けるのは辛い。くわえタバコでの銃撃。ひたすら、少佐役俳優の風貌に注目。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆緊迫感の電圧が高い。手持ちキャメラの揺れを当てにしない俳優たちの打ち込み方も出色。休息している場面が一番怖い。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆米軍の破壊攻撃に頼らず、自分の生まれ育った街を再生させるために子供を守り命がけになるSWAT。ラスト泣けます。

森直人(映画評論家)

★★★★☆中東の政治的リアリティとハリウッド映画術の融合。人気脚本家カーナハンが監督としても実録と仁慈の眼を発揮した。

洞口依子(女優)

★★★★☆イラク視点と暴力の重みをシネマヴェリテ式カメラワークさながら展開の妙に憑かれる。少佐役(S・ダッバーシ)に星!


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『モスル〜あるSWAT部隊の戦い〜』(米)
TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中
https://mosul-movie.jp/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年12月2日号)