演劇研究者である笹山敬輔さんが、ザ・ドリフターズを演劇・舞台の観点から読み解いた著書『 ドリフターズとその時代 』(文春新書)を上梓した。出版を記念して、本書で紹介されている同氏による高木ブーさんへのインタビューを再公開する。(全2回の2回目/ 後編を読む )

(初出2018年7月29日。年齢、日付、肩書きなどは掲載当時のまま)


高木ブーさん、2022年現在は89歳。

まさか80歳を超えてタライを落とされるとは思わなかったけど

―― サントリー「伊右衛門」のCMでは久々にお元気そうな活躍ぶりを拝見しました。

高木 ああいうの大好きなの。作った人に感謝してるんだよ。

―― メンバーが揃うのを見るのは、ファンとしてもうれしい限りです。

高木 今の人の笑いのセンスもすごいと思うけど、僕らは全部、体を張ってやってきたからさ。どんな転び方したらいいのかって考えたりして。タライもそうだよね。まさか80歳を超えてタライを落とされるとは思わなかったけど(笑)。

―― 今日は、ミュージシャン時代から『8時だョ!全員集合』まで、芸能活動全体のお話を伺いたいと思っています。まずは、ドリフターズとの出会いから教えてください。

高木 僕は途中から加入したメンバーで、ドリフとはジャズ喫茶で知り合いました。そのころのジャズ喫茶は、30分交代で2つのバンドが出るんですよ。僕らのバンドが出たとき、その相手がドリフだったことがあったんです。

僕はドリフに引き抜かれたんです

―― そのときのドリフには、いかりやさんや加藤さんは?

高木 もういたよ。コミックバンド的なことをやってたね。リーダーが桜井輝夫さんで、小野ヤスシとかもいた時期だった。でも、知り合ったといっても、僕のところにスカウトに来るまで、いかりやさんと口をきいたことはなかった。

―― あっ、そうなんですか。じゃあ、突然いかりやさんが高木さんを誘われて。

高木 もちろん。小野さんたちが辞めることになって、欠員が出た。昔のバンドは、15日前に言えば辞められたんだけど、仕事が決まってたから困ったんだろうね。誰かいないかとなって、いかりやさんと桜井さんの2人が来て、引き抜かれたんです。