〈 「ジャニーさんに15回されました」カウアン・オカモト氏(26)が受けたジャニー氏最晩年のおぞましい性加害《ジュリー氏退任で新社長へ》 〉から続く

 ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(2019年死去、享年87)の性加害問題を巡り、8月29日、事務所が設置した「再発防止特別チーム」が記者会見を開いた。約3カ月に及ぶ調査の結果、ジャニー氏による性加害があったことを認定。被害者への救済策を打ち出すこと、ガバナンス強化のため藤島ジュリー景子社長(57)の辞任などを提言した。

 ジャニー氏の性加害問題については、とりわけ日本では「週刊文春」が率先して報じてきた。世間の流れを変えるきっかけとなった記事を期間限定で特別に無料公開する。(初出:週刊文春 2023年6月15日号 年齢・肩書きは掲載当時のまま)

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 現社長が「知らなかった」と語った、創業者の性加害。だが実際にはスタッフがジュニアたちをホテルに送るなど、事務所ぐるみで行われていた。さらに今回、スタッフもタレントに手を出していたことが発覚したのだった。

「自分がそこの中にいると勘違いするんだよね。これ、犯罪的な話ね」

 小誌記者の前で重い口を開くのは、現在50代の男性X氏。かつてジャニーズ事務所に、マネージャーとして籍を置いていた人物である――。

ジャニー氏の性加害には事務所やスタッフの関与もあった

 ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏から性加害を受けたタレントたちの告発は、とどまるところを知らない。


裁かれることのなかったジャニー氏

 この問題を巡って、現社長の藤島ジュリー景子氏は5月14日、「知りませんでした」などと弁明した。同事務所では、ジャニー氏と姉のメリー喜多川氏があらゆることを決定。“異常な経営”状況が続いており、〈本件を含め、会社運営に関わるような重要な情報は、2人以外には知ることの出来ない状態が恒常化していました〉というのだ。

 だが小誌はこれまで、複数の元ジュニアや事務所関係者に取材。性加害はジャニー氏1人だけで完結するものではなく、事務所やスタッフの関与もあったという証言を得ている。

 1996年から約2年間ジュニアとして在籍し、六本木の東京全日空ホテル(現・ANAインターコンチネンタルホテル東京)で、ジャニー氏による性加害を受けたという二本樹顕理(にほんぎあきまさ)氏はこう語っている。

「レッスン場でジャニーさんがマネージャーに、『今日、このジュニアは泊りだから』と告げていました。ジャニーさんが仕事で送迎できない場合や、ジャニーさんと離れた場所で仕事をしているジュニアを、マネージャーが迎えに行ったりしていたのだと思います。私も全日空ホテルの建物の前で降ろされました」