「80歳まで現役」を標榜し、精力的に活動してきた歌手の八代亜紀(73)が、しばらくの休業を発表した。

「8月下旬に体調不良で複数の病院を受診したところ、免疫異常の一種である膠原病にかかっていることが判明しました。少なくとも年内は治療に専念する予定です」(スポーツ紙記者)

ハスキーボイスがコンプレックスだと言っていたが…

 父親の浪曲を子守歌に熊本県八代市で育った八代。中学を出てバスガイドとして働いたが、歌手の夢を諦めきれず、地元のキャバレーでマイクを握る。その後、父の反対を押し切って家出同然で上京。流れ着いた先は銀座のクラブだった。


五木ひろしとのライバル関係は「五八戦争」と呼ばれた

「同じクラブで歌っていた五木ひろしの紹介で歌手デビュー。『全日本歌謡選手権』を10週連続勝ち抜いて業界の注目を集めた。本人はハスキーボイスがコンプレックスだと言っていたが、そこが他の歌手にはない魅力でした」(音楽関係者)

 120万枚を売り上げた73年の「なみだ恋」など、情感を切々と歌う八代演歌には熱狂的なファンがつく。

「八代のファンにはデコトラに乗るトラック運転手が多かった。当時は菅原文太主演の『トラック野郎』シリーズが社会現象になっており、八代自身も映画に出演したほど」(同前)

 79年の「舟唄」、翌年の「雨の慕情」はともに大ヒット。八代の代表曲として今も歌い継がれる。

「高倉健主演の『駅 STATION』の挿入歌に『舟唄』を推薦したのは健さん本人。ラジオから流れる八代の歌を聴きながら小料理屋の女将(倍賞千恵子)と酒を酌み交わす名シーンが生まれました」(映画記者)