A子さんがカップル成立で退会を決めたのは、6月にアプリに登録してから3カ月後の9月、B男さんと初めて会った7月からは2カ月というスピード退会だった。それでも、今後のことはまだ未定の部分も多いという。

「私もB男さんも親が寛大で、『顔合わせもオンラインでいいんじゃない?』という雰囲気だったのでまだ向こうの両親には直接会えていません。入籍は4月の予定ですけど、結婚式はまだ全然わかりませんね。半年後に式場を予約したとしても状況がどうなってるかわからないし、B男さんの仕事がイベント系なのでその見通しも立っていないので。幸い私の仕事は安定しているので、何とかなると思ってますよ」

 結婚を決め、家族や友人にもお互いを紹介しはじめたA子さんとB男さん。出会いが婚活アプリであったことを隠すカップルもいる中で、2人は最初からすべてオープンにしているという。

「私の周りではアプリで婚活するのは割と普通で、婚活中も他のアプリを使っている人に『そっちはどう?』って聞いたり、『この人どう思う?』って相談したりしていました。私が結婚を決めたのを伝えたら、友人が2人同じアプリに入会したって報告が来ましたよ(笑)。

 親も偏見がなくて、逆に『親戚の子がこのサービスで結婚したらしいからやってみれば』って勧めてくるくらい。親や周りに隠し続ける必要があったらやっぱりストレスはあったでしょうね」

これまでアプリにいなかった層と出会うチャンス

 A子さんとB男さんは「コロナ禍の婚活」に適応して、どちらも婚活アプリを始めて数カ月で“運命の人”に巡りあったことになる。『100日で結婚』などの著書があり、結婚相談所を主宰する仲人の鎌田れい氏も、2人のようなケースは増えていると解説する。

「婚活市場全体でみて婚姻数が劇的に増加しているわけではありませんが、『家族が欲しい』という気持ちは確実に強まっています。結婚はしたいのに出会いの機会は激減している状況を受けて、これまで婚活アプリを使っていなかった層が流入してるので、新しい人と出会うチャンスも増えています。アプリで出会って結婚する、というケースはしばらく増え続けると思います」

 コロナ禍という新たな状況の中で、婚活市場も新たな局面に入っている。変化を恐れず環境に適応した人が生き残るのは、ここでも同じのようだ。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))