「天皇・皇后両陛下は熊本豪雨の被害に大変、心を痛められていると拝察しています。しかも新型コロナウイルス禍によって、昨年の台風19号の被災地のようにお見舞いに行くことが、当面は難しいとみられていることも、ご心痛を深められている要因となっておられるのではないでしょうか」


昨年12月、台風19号の被災地訪問を終え、羽田空港に到着された天皇、皇后両陛下 ©共同通信社

 宮内庁関係者はこう語る。7月4日、気象庁が熊本、鹿児島両県に大雨特別警報を発した熊本豪雨では、多くの死者や行方不明者が出る甚大な被害が発生。球磨川の氾濫で流された家屋や土砂崩れで寸断された道路や下敷きになった家屋、広範囲にわたる冠水による床上浸水被害など未曽有の災害となった。梅雨時期のため、雨が続けば被害はさらに拡大する恐れもある。

同行する供奉員や記者を限定することは可能でも……

「両陛下は昨年10月12日に上陸した台風19号の被害では、被災地の復興作業を優先させたうえで、御即位に伴う一連の儀式が終わるのを待って、12月26日に日帰りで被害が大きかった宮城、福島両県をお見舞いに訪れられました。被災者約50人が身を寄せる宮城県丸森町の花田応急仮設住宅では、『怖い思いをされたでしょう』などと声を掛けられるなどしました。

 しかし、被災地ご訪問では、密閉・密集・密接の『3密』を回避するのは困難です。同行する供奉員や記者を限定することは可能でも、お会いする被災者をごく少数に限定するのでは、両陛下がわざわざ足を運ばれる意義が薄れるからです。ワクチン開発は年内は難しいとも言われており、新型コロナ禍は両陛下にとっても両陛下をお支えする宮内庁にとっても、被災地をお見舞いするうえで頭の痛い問題なのです」(同前)