保育園児が跳び箱10段を跳び、倒立歩行。さらに九九算も覚え、漢字を読み書きし、3年間で平均2000冊の本を読破する――。

「すべての子供が天才である」をモットーに、鹿児島から全国に広がった独創的な教育方法がある。子供の向上心や競争心に火を付け、強制することなく自分で学ぶ力を伸ばすこの教育法は「ヨコミネ式」と呼ばれている。いまでは、全国で約400もの保育園・幼稚園が、このヨコミネ式カリキュラムを導入しているほどの人気なのだ。

 この教育法の考案者が元国会議員・横峯良郎氏の兄で、鹿児島で保育園理事長を務める横峯吉文氏(69)だ。


横峯吉文氏(ヨコミネ式教育法ウェブサイトより)

 ヨコミネ式は20年ほど前に考案され、近年では、2019年の四大陸選手権で優勝した女子フィギュアスケーターの紀平梨花選手が「ヨコミネ式」を導入した幼稚園(兵庫県)の卒園生だったことから再び注目を集めた。

著書は異例のベストセラーに

 鹿児島県保育連合会理事の経歴を持つ吉文氏は、“幼児教育のカリスマ”として、講演会で全国を駆け回っている。独自の幼児教育論を唱える著作は、『「ヨコミネ式」子どもの才能の伸ばし方』(小学館)、『「ヨコミネ式」天才づくりの教科書』(講談社)など数十冊刊行され、『天才は10歳までにつくられる』(ゴルフダイジェスト社)は教育本としては異例の10万部を超えるベストセラーとなっている。

 しかし、「文春オンライン」編集部には、吉文氏の“幼児教育のカリスマ”というイメージからは程遠い証言が寄せられていた。教育関係者が明かす。

「いまや横峯さんは新たな教育法を生み出した人物と崇められていますが、本人は奥さんやお子さんに暴力を振るい、警察沙汰になったこともある。女性関係も派手で保育園内で不倫関係が明るみになって、過去には園長を退任したこともありました」

 取材班が鹿児島県へ向かい、現地で取材を進めると、「ヨコミネ式」を運営する横峯家の中で、元妻、実子の告発を、吉文氏が否定する骨肉の争いが繰り広げられていた。

「俺がルールだ」「言うことを聞け」

 現在、吉文氏は「ヨコミネ式」の窓口業務を行うヨコミネ株式会社の代表取締役で、同時に鹿児島県内で3つの保育園を運営する社会福祉法人純真福祉会の理事長を務めている。

 取材班は、鹿児島で教育関係者や近隣住人、元従業員、親族らに取材を進めた。その中で、2019年に吉文氏と離婚した元妻のA子さんと接触する機会を得た。当初は口を閉ざしていたが、記者が「長年、暴力を受けてきたと取材で聞いている」と伝えると、彼女は涙ながらに語り始めた。