「今年も“生と死の祭典”――igoku Fes(いごくフェス)に出演することになりました」。事故物件住みます芸人の松原タニシ氏から、少し興奮気味にそんな連絡をもらったのは10月のことだった。今年で4回目となる「いごくフェス」は、福島県いわき市地域包括ケア推進課が主催する、攻めに攻めた謎イベント。あえて説明するとすれば、様々なエンターテイメントを通じて「死」を楽しみ、「死」を考える祭り……とでもなるだろうか。

  昨年も松原氏に誘われ 、「棺桶入棺体験」「VR看取り体験」などを見学したが、今年はオンライン配信で祭りが開催されるという。念仏踊りや終活セミナーに混じって、松原氏のトークショーも企画されているようだ。いざ配信日にパソコンの前で待っていると、いごく編集部の小松理虔氏を聞き手に、松原氏は静かに語り始めた――。

(構成=文春オンライン編集部)


「いごくフェス」で怪談を披露する松原タニシ氏 ©Jouji Suzuki

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松原 松原タニシです。よろしくお願いします。そもそも僕が事故物件に住み始めたのは、『北野誠のおまえら行くな。』というテレビ番組がきっかけでして。北野誠さんは事務所の先輩なんですけど、当時まったく仕事がなかった僕に、番組の企画で「お前、事故物件住んだらええやん」と言ってくださいまして。

 それが8年前のことですね。それで早速、女の幽霊がすっごい目撃されてる大阪のマンションに住むことになりました。十数年前に殺人事件があったマンションで、1Rで家賃4万5000円。部屋の中ではカメラをセッティングして、一晩中、撮影するんです。で、何かが映ったらギャラがもらえるという。

――映らないと?

松原 もらえない(笑)。そういう企画でして。でもけっこう、オーブと呼ばれる、今僕が着ている服みたいな丸い浮遊物が撮れるんですよ。それで「オーブ撮れましたー」って報告すると、「いや、人型じゃないからダメ!」と言われたりして。そんな感じで事故物件といわれる、人が亡くなった場所、いわくつきの物件をずっと住み渡ってきたんです。

一番最初にバラが枯れたのは……

松原 次に住んだ物件は、2DKで家賃2万6000円。「殺人が起きた部屋」ということだけ知って入居しました。それで、引っ越してすぐにバラの花を各部屋に置いてみたんです。

――バラの花?

松原 これはもう都市伝説レベルの話なんですけど、「花瓶に花を一輪挿して置いてみたとき、一番最初に枯れた部屋が人の亡くなった場所じゃないか」というのを検証してみたんですね。