1月1日、朝から皇居へ向かわれるため半蔵門を通過した天皇皇后両陛下の車両には、天皇旗がはためいていた。天皇陛下と雅子さまは穏やかなご表情を浮かべられていて、この時現場で取材をしていた私は、雅子さまがティアラをお召しでなかったことに驚き、コロナ禍において華美なことをなさらないようにというご配慮を実感した。

 皇居・宮殿では「新年祝賀の儀」が行われ、両陛下は皇族方や三権の長、各国大使らから祝いの言葉を受けられた。雅子さまをはじめ女性皇族方は、新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの国民が苦労していることを考慮され、例年であればティアラを着用されるところ、控えられたという。


新年をお迎えになった天皇ご一家 宮内庁提供

陛下のネクタイと雅子さまのジャケットは上品なベージュ

 元旦に天皇陛下が臨まれる宮中祭祀「四方拝」にはじまり、新年には様々な行事が行われるが、感染対策のために祝賀の儀への出席者を大幅に減らすなど、今年は様々な点で変化が見られた。とりわけ、例年1月2日に皇居・宮殿の東庭で行われていた「新年一般参賀」が中止となり、陛下の恒例のおことばがなくなることから、異例のビデオメッセージが公開されたことは大きな変化だった。

 天皇陛下のお隣に雅子さまが並ばれ、さりげなく、陛下のネクタイと雅子さまのジャケットの色を上品なベージュで合わせられていた。「即位以来、私たちは、皆さんと広く接することを願ってきました。新型コロナウイルス感染症が収まり、再び皆さんと直接お会いできる日を心待ちにしています」という陛下のおことばのあと、雅子さまは「この1年、多くの方が本当に大変な思いをされてきたことと思います。今年が、皆様にとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします。また、この冬は、早くから各地で厳しい寒さや大雪に見舞われています。どうぞ皆様くれぐれもお体を大切にお過ごしいただきますように」と述べられた。

 雅子さまは「立皇嗣の礼」で、17年ぶりに公式行事でおことばを述べられたが、やや緊張感を漂わせられながらも同じように落ち着いたお声で、国民を気遣われた。ビデオメッセージの形式から、雅子さまならではの皇后陛下としての務めについて、両陛下のお考えが表現されていたように拝察している。