菅義偉首相は2月2日、プロンプターを初めて使用した会見の中でこう述べた。

「重症者をはじめ、必要な方が適切な医療をきちんと受けることができるよう、医療体制の確保にも全力を挙げてまいります。現場の方々が財政面で躊躇することのないよう、また新型コロナ患者を受け入れる医療機関が損失を被ることのないよう、しっかりと支援してまいります」


菅総理 ©文藝春秋

 11都府県のうち、栃木県以外の10都府県について3月7日まで緊急事態宣言を延長するとした菅首相の記者会見。首相は「コロナ患者を受け入れる医療機関への更なる支援」について強調した。

受け入れ医師の悲痛告白「医者も看護師もバーンアウト寸前」

 しかし、「言うは易く、行うは難しですよ」と嘆くのは、コロナ中等症・軽症患者を受け入れる、首都圏にある病院の医師だ。現場の「医療ひっ迫」の現状は「全く収まる気配がない」という。

「1人が退院しても、またすぐに新しい患者がベッドに入ってくることの繰り返しで、実感として患者は全く減っていない。医者も看護師もバーンアウト寸前です。あまりに忙しいうえに、物資も不足していて、本来なら感染防止のために使い捨てにしなければならない医療用ガウンを使いまわしたりしています。

 病院内は感染者がいる区域といない区域でゾーニングされていますが、患者の数に対してベッドの数が足りないので、コロナに感染している可能性が限りなく高いと思われるPCR検査結果待ちの患者とコロナと全く関係ない理由で入院している患者が、同じ病室に入っていることもあります。こうした部屋は、ほぼ密室に近い状態で管理されるため同室患者の感染確率はかなり高くなってしまい、実際に同室患者全員が陽性となったこともあります。さらに病床によってはマスクをしていない患者がいることも多いので、それも感染拡大につながっているかもしれません」

 1月27日時点で東京都のコロナ病床使用率は全入院患者数で73%(2933床使用/4000床)、重症者用病床に限っては113%(567床使用/500床)。東京都では2月2日の新規感染者数こそ556人だったが、入院中の重症患者は129人に上り、依然高止まりの状態が続いている。