大切なのは早期発見、300施設・受診30万人増が目標

「アメリカでは検診受診者に乳腺濃度を伝えることが法律で義務化されました。しかし日本では自治体の検診で乳腺濃度を記録しているにもかかわらず、それを告知してもらえるかどうかは自治体判断になっているのが現状です」

 高濃度乳房の弊害を知っている方で、すでにエコー(超音波)検診をされている方も多いかもしれません。しかしエコーも万全ではなく、技師によって精度に差が出やすいといいます。そしてやっぱりおっぱいをさらしてグリグリと乳房を押されるので、痛みや恥ずかしさからは逃れられないんですよね……。

「ドゥイブス・サーチは乳腺濃度の影響をほとんど受けないので、マンモグラフィに比べてがんの発見が容易です。上の画像を見ていただくとわかりやすいですが、乳腺が発達しているとマンモグラフィでは真っ白に写ってしまって、がんが見つけにくい。まるで雪山で白ウサギを探すようなものですが、ドゥイブス・サーチでは乳腺に阻害されることなく、しっかりとがん細胞が見つけられるのです」

 高原先生は2012年にがんでお父さんを亡くされています。がんがわかったときには、すでにステージ4でした。高原先生はこの経験からがんの“早期発見”の重要性を身に沁みて感じたと話します。

「女性の乳がんは30代後半〜50代で罹患率が高い。つまり働き盛りや、子育て世代がなるがんなんです。特にシングル家庭の場合、長期にわたって母親が働けなくなると、一気に家計が危うくなります。でも、ステージ1で発見できれば1ヶ月で社会復帰でき、9割の方が完治可能です。そうすれば金銭的・キャリア的なダメージも最小限ですむ。だから、“早期発見”が大切なんです。

 経営側にとっても、社員の健康を守ることは会社の価値を高めることにつながるでしょう。経験豊富な社員が病気で離職してしまったり、長期的に休んでしまうような事態はビジネスにとっても損です。

 今、40代以上の女性の半数が乳がん検診を受けていません。その数は約300万人と言われています。そのうちの10分の1、つまり30万人にドゥイブス・サーチを受けてほしいと思っています。それが達成できたら乳がん検診率は5%上がります。痛い、胸を見せたくないという理由で検診から遠ざかっている方のためにも、あと300箇所は受診施設を増やしていきたいです」

(小泉 なつみ)