「40歳を前にして、子供が欲しい、結婚したいと強く思うようになり、婚活アプリに登録しました。そこで出会ったのが“X”でした。本気で結婚するつもりでしたが、まさか私のほかに何人も女性がいて、さらに妻子もいて、経歴も年齢も全てウソだったなんて……。ショックでしばらく立ち直れませんでした」

 取材班にそう語るのは、美容関係の会社を経営するA子さん(41)。真矢ミキ似の顔立ちにロングヘアが似合う女性だ。

 取材班の前には、A子さんを含む4名の女性が一堂に会している。彼女たちが口を揃えて怒りを露わにしている人物「X氏」とは、大手広告代理店・電通に勤める48歳のある男性のことだ。4人は全員、かつてX氏と恋人関係にあったが、驚くことに、4人の中の2人は現在、X氏に対する損害賠償を求める民事訴訟の真っ最中であり、もう1人も名古屋で訴訟の準備を始めているという。

 本来出会うはずのない“恋敵”である彼女らが出会い、1人の男性を告発するに至るまでに、一体何があったのだろうか――。(全2回の1回目)。


A子さんとX氏。この日はX氏の誕生日と言われていたが、本当の誕生日ではなかった。

A子さんのケース「慶応卒、年収1500万円のテレビマン?」

 A子さんが婚活アプリ「ゼクシィ縁結び」に登録したのは2018年9月のこと。

「結婚を目的として会員登録しました。病気にかかり長期入院した時に『1人は寂しい、結婚したい』と強く思ったのがきっかけです。Xとは登録してすぐにマッチングしました。

 プロフィールには、東京都港区出身の41歳で慶應義塾大学大学院を卒業している年収1500万円のテレビマンだと書かれていました。婚活アプリは経歴を偽る人も多いと聞いていて、華々しすぎる経歴に警戒感はありました。ただ離婚歴があると書かれていたので『婚活しててもあり得なくはないか……』と思い、連絡を取り始めました。『1〜2年以内の結婚を希望』と書いてあり、その他の条件を見ても話が合うと思ったからです」(A子さん)

「僕はブラジル人とのクォーター。一度は日本人と結婚した」

 A子さんとX氏はすぐにLINEで連絡を取り始め、何度かデートを重ねた。A子さんはデートを重ねるうちに徐々に彼に惹かれていった。

「Xは電通にしばらく勤めた後、独立してテレビ番組の制作会社を経営していると話していました。『テレビ収録の時に林修先生にマッチングアプリを勧められたんだ』と得意げに話していたこともあります。180センチ以上ある筋肉質な体型で、浅黒く日に焼けていました。聞くと『親父がブラジル人とのハーフで、僕はクォーター。一度は日本人と結婚したんだけど妻の親が政治家で、ブラジルの血が入っている僕のことが嫌いだったみたい。それで離婚しちゃったんだよね』と。苦労してきた人なのかな、と思いました。

 それ以外にも、彼の話は全部面白かったんです。芸能界の裏話やブラジルで家族と見たリオのカーニバルのこと、頻繁に行く海外出張のことなど、経験したことがないような話が次々と出てきてあっという間にデートの時間が過ぎていきました」

 多彩なトーク力以外にも、A子さんがX氏に惹かれた大きな理由があった。

「『年も年だし、早く結婚したいし子供も産みたい』とデート初日に伝えたら、『僕もだ』と同意してくれたんです。女性としての焦りを理解してくれる人だと感じていたので、『俺はこういうのちゃんとしたい。付き合ってください』と彼が言ってくれたことをきっかけに交際を始めました」