河西 今のお話はすごく重要だと思います。昨年11月に出された眞子さまの文書を読んだ時にも、「眞子さま大丈夫かな」と不安に思ったんです。特に違和感を覚えたのは、「天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下が私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっている」と書いた部分でした。まるで天皇皇后、上皇上皇后を盾にご自分の主張をしているように読めてしまう。眞子さまは結婚すれば現行の皇室典範では将来の天皇の姉であり、小室さんは天皇の義兄になるわけだから、眞子さまが小室さんに話して立場の重さを理解してもらうべきなのに、自分までもが皇室の立場を使ってしまっている。

愛の力のなせる業

山口 私たちがこの問題を危惧するのも、個人の資質だけじゃなく、皇室という家のお話が絡むからですね。私の研究分野である家族法の観点で言えば、結婚が家同士の「身分」の領域から個人同士の「契約」へと向かう流れがあります。例えば、結婚して姓が変わることは、自分の帰属先が実家から婚家に変わることを示しています。つまり、夫婦同姓は、最後に残る結婚の身分的な意義の象徴なわけです。ですから皇族だって、個人の意思のみに基づいて結婚するんだって言われると、確かに憲法にもそう書いてある。でも一つ引っかかるのは、この結婚に身分の要素はないですかというところ。眞子さまは結婚によってはじめて身分から解放され、小室さんには、本人が意図しているかは分からないですけれど、いかんともしがたいステイタスの向上が、結婚とともに付いてくる。お二人は個人としての結婚を主張するけれど、皇室という日本で最高の身分にフリーライド(ただ乗り)しているんじゃないの? というモヤモヤが残ります。

河西 2人がその点にどこまで自覚的なのかがわからない。ロミオとジュリエットみたいに燃え上がってしまって、周りが見えていないように前々から感じますね。

片山 これは結局、「愛の問題」ですよ。今は引き合う力が強くて、両親や国民、皇室関係者の意向も聞こえないから、暴走しているように見える。愛の力のなせる業です。

山口 いろいろ厳しいことも申し上げましたが「若さゆえ」とも思うのです。昔、私も別れを切り出した恋人に、12枚の手紙を書いて「別れないで」と迫ったことがあったなと思い出しました……。

片山 私は「愛」については、きっと山口さんの10分の1も経験がない(笑)。そういう人間が言うのもなんですが、好きなものはしようがない。他者の介在には限度がある。あとでダイアナ妃のように不幸になったらと心配する向きもあるかもしれないけれど、現段階では余計なお世話ではないでしょうか。

( #2 へ続く)

「早く皇室を出たい」前のめりな眞子さまと小室圭さんご結婚問題の出発点は…《10月婚姻届の報道も》 へ続く

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2021年6月号)