「#Amazonプライム解約運動」で炎上

〈三浦瑠麗氏もキャンセルカルチャーを身をもって経験した一人だ。

 昨年7月、AmazonプライムのCMキャラクターに起用されると、抗議が殺到。過去に“徴兵制の復活”を提案したことなどを理由に、ツイッターでは「#Amazonプライム解約運動」がトレンド入りするなど炎上に見舞われた。〉

 私のデビュー作『シビリアンの戦争』(岩波書店)は、共和国を「現存するデモクラシーの要素に加え、政策決定に対する自由な参加とともにその結果を応分に負担しあうような国家」と定義したうえで、次のように書いています。

〈具体的な「共和国」への道は、緩やかな徴兵制度の復活ないし予備役兵制度の拡充により、国防に関わる軍の経験や価値観をひとりでも多くの国民が体験することを意味している。(中略)現状は、国防の任務の軽視と無関心が大勢を占める一方、他方では国民全体に自らのコスト意識なしに専門的な軍を用いて戦争をやらせようという発想がある。この発想がなくならない限り、攻撃的な戦争はなくならない〉

 アメリカをはじめ、現代の豊かな民主国家では、シビリアン(=文民)が戦争の人的コストを理解しないまま軍に戦争を強いている現状があり、このままでは安易な戦争が繰り返される。そんな問題意識に基づく提言でした。

 この提言を導き出す、シビリアンの“暴走”を描くため、イラク戦争をはじめいくつかの戦争の実例を挙げながら350ページ近くにわたり書き記したのが同書です。

「徴兵制の復活を主張する危険思想の持ち主」?

 アメリカで、戦争に関する命の平等を尊重するために徴兵制を提言する人は、戦争経験者の黒人議員など少数者の中の少数者であり、敬して遠ざけられることはあっても、タカ派だと思われることは一切ない。

 ところが、日本では最近の戦争の実態を知らない人が多いのをいいことに、意図的な切り取りがまかり通り、「日本での徴兵制の復活を主張している危険思想の持ち主だ」と、前後の文脈を一切無視して不安を煽ることで急速に拡散されていきました。実際の経験者だからわかることですが、多くの場合、火元となる情報の作られ方は意図的なのです。