子供の習い事の送り迎えに付き合うと、仕事帰りのくたびれ果てたお母さんが息子の手を引いて歩く姿を見る機会が多いのです。子供は子供で何だか眠そうです。親も子も疲れて習い事かよおめでてーな。もっとも、待合室で顔見知りの親御さんと話をしていると、朝は慌ただしく子供を起こして朝ごはんを食べさせて学校に送り出してから職場へダッシュ。夕方まで働いた後、子供を学童保育から受け取って自宅近所の塾や習い事に連れていき、その間に手早く晩御飯の支度をして、日がとっぷり暮れてから子供を迎えに行くのが日常なんだそうな。

働き盛りの若い夫婦が立ち往生する現状

 まあ、私も親の介護やら投資先の社長の愚痴聞きやら何だかんだで忙しくしているものの、共働きのご夫婦が直面している子育て事情を聞くたびに頭が下がる思いです。疲れてない訳がないよね。通勤電車に揺られて職場にいってヘトヘトになるまで働いてからさらに育児や介護ってのは想像を絶するほど大変なことですし、こんな面倒なことばかりが人生なら、いっそ結婚しなければよかった、子供も要らなかったっていう投げ出したくなる気持ちを吐露されることもあります。


©iStock.com

 世の中に目を転じれば、やれ出生率が低下だ、高齢者が増えて介護が大変だという話は山ほどあります。私だって育児と介護に挟まれて、家内も体調が芳しくなかったものだから、いっそのこといったん常駐の仕事は全部リタイヤして家庭のことをしっかりやろうと決断していまに至ります。投げ捨ててみれば家族に時間を使うのは存外に人生が楽しく明るくなれるものだけど、でもまだ働き盛りの若い夫婦が苦しい経済状況で仕事育児の両立を強いられて立ち往生しているのを見ると無責任に「頑張れ」と背中を押すのも憚られます。「奥さんが働いているのは旦那の甲斐性がなくて稼ぎが悪いからだ」と後ろ指を指されるのもいまはむかし。かなり開き直って「夫婦で働かないと子育てするお金が出ないのです」といえる社会になったのは良いことなのか、どうなのか。でも、結婚するときは女性から「自分より稼ぎのない男性は嫌」というのがまかり通る以上、高学歴の女性がいつまでも「良い人が見つからない」とオールドミスになり、非正規の安月給男性が「経済力を持ててから結婚を」と言いつついつまでもプロポーズもできないなんて話はゴロゴロ転がっておるわけですね。