先週はオヤジジャーナルが待ちに待った「新語・流行語大賞」の発表があった。私はかねてから勝手に解説しているのですが、流行語大賞とは「おじさんによるおじさんのためのプレゼン」だと思えばいい。おじさんに届いた言葉の発表会だ。

 だからズレているのも妙味。


2016年の流行語大賞の面々 ©杉山秀樹/文藝春秋

ネットでツッコまれるまでが流行語大賞

 昨年の大賞は「神ってる」で一昨年が「トリプルスリー」。どちらもおじさんが好きな野球用語だった。大賞が発表されるやネットを中心に「そんなの流行ったのか?」というツッコミが発生した。毎年恒例の風景。「家に帰るまでが遠足」ならぬ「ネットでツッコまれるまでが流行語大賞」なのである。

 実際にスポーツ紙では流行語大賞の扱いは大きい。発表翌日は別の話題の見出しでも使用する。昨年は「モデルの蛯原友里が髪の毛を20センチ以上切った」というイベント報告記事に、

「髪切ってる エビちゃん」(スポーツ報知 2016年12月2日)

 と見出しをつけた。「髪切ってる」と「神ってる」。新聞はあくまでもアツいのだ。

「このハゲーーッ!」まさかの落選を追う東スポ

 では今年はどうだったか。まずノミネート発表の時点でアツく問題提起をしていたのが東スポである。

「流行語大賞候補 どれもこれもちーがーうーだーろー!」(11月10日)

「『このハゲーーッ!』まさかの落選のワケ」をレポートしている。


豊田真由子氏 ©志水隆/文藝春秋

《昨年、『日本死ね』を選出して猛批判されたことは確実にトラウマになっている。『忖度』『共謀罪』など政治ワードを拾っているが、肝心の『モリ・カケ』『安倍一強』を外すなど与党にニラまれるのは嫌だという意識が透けて見える。》というITジャーナリストの井上トシユキ氏のコメントを紹介し、

《井上氏は「『このハゲーーッ!』をおおっぴらに大賞にして『ハゲは差別用語なんじゃないか』と論議を呼ぶのが嫌なんでしょう」と推察する。昨年の「日本死ね」での炎上はもうごめんというワケか。》

 ハゲ落選にこだわった東スポ。