「文藝春秋」2022年5月号より、元朝日新聞記者・皇室担当の斎藤智子氏による「愛子さま20歳のお覚悟」を一部転載します。

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新しい風を吹き込む成年皇族

「『生んでくれてありがとう』と伝えたいと思います」

 天皇皇后両陛下の一人娘、愛子さまが3月、初めておひとりで、記者会見に臨んだ。「男の子を産まなくてはならない」というプレッシャーと流産の悲しみを経て、雅子さまが産んだ「女の子」は、いま、輝くばかりの成年皇族となり、皇室に、そして日本に、新しい風を吹き込んでいる。


ローブデコルテとティアラで成年行事に臨まれた愛子さま ©getty

 昨年12月1日に20歳の誕生日を迎えた愛子さまの会見は、学業などの関係から3月17日、御所の大広間で開かれた。父と同じ学習院大学文学部に進学し、現在は2年生。古典文学に長じ、日本語日本文学科で学んでいる。

 ちなみに在籍していた学習院女子高等科では、卒業に際し、平安時代の猫や犬について、文学作品を通じて考察したレポートを400字詰め原稿用紙60枚近くにまとめて提出したと言うから、この先も独自性のある研究が期待される。

 春らしいライムイエローのスーツに身を包んだ愛子さまは、天皇陛下の言葉を引用する時以外はメモを一切見ることなく、約30分にわたる会見をこなした。記者たちの追加質問にも臆さずに答えた。

 20歳になった喜び、勲章の重みで感じた身の引き締まる思い、成年皇族の儀式や宮中祭祀に参列した緊張感……。

 皇室にあって最も大切にすべき精神は「国民の幸福を常に願い、国民と苦楽をともにしながら、つとめを果たす」ことだと思っている。それが、上皇陛下から天皇陛下へと受け継がれてきたように感じており、国民と苦楽をともにする一つのあらわれが「被災地に心を寄せ続ける」ことではないかと思っている、などと話してくれた。

 醸し出す柔らかで優しい雰囲気は、かつてインタビューした外交官時代の雅子さまにとてもよく似ていた。雅子さまも、輝かしいキャリアの持ち主であることを意識させない柔らかさや素直さがあり、ずっと話していたい気持ちになったものだ。