東京湾を橋とトンネルで横断する自動車専用道「東京湾アクアライン」(千葉県木更津市〜神奈川県川崎市、総延長15.1キロ)が開通したのは、いまから20年前のきょう、1997(平成9)年12月18日のことである。この日、木更津側の金田料金所と川崎側の浮島坑口でのテープカットに続き、午前11時半より、橋とトンネルのつなぎ目につくられた木更津人工島「海ほたる」で、皇太子ご夫妻も出席して開通式が行なわれた。このあと、午後3時より供用が開始される。東京湾アクアラインを経由することで、木更津〜川崎の中心部間の所要時間は約30分と、従来の約3分の1にまで短縮された。


海ほたる ©iStock.com

 東京湾アクアラインは、民間活力を導入した巨大プロジェクトとして、1989年に着工された。しかし開通時期は2回にわたり延期され、8年7ヵ月の歳月をかけてようやく完成する。当初は全区間を橋梁で建設する計画だったが、川崎側は大型船舶の往来も多く、羽田空港の空域制限もあることから海底トンネルとなった。その建設中の映像は、最近、サントリーの缶コーヒー「BOSS」のCMで使われていたのが記憶に新しい。

 東京湾アクアラインの開通にともない、1965(昭和40)年より木更津〜川崎間でマリンエキスプレス社(前身は日本カーフェリー)が運航してきたフェリーが廃航となった。このフェリーは通勤客や観光客らの足として利用され、1987年放送のドラマ『男女7人秋物語』では、明石家さんま演じる主人公も通勤に使っていたことから話題を呼ぶ。東京湾アクアライン開通後は、フェリーに代わりアクアライン経由の高速バスが、両岸を結ぶ公共交通の役割を担うようになった。現在では23路線で1日あたり494便にまで拡大、朝7時台には木更津金田バスターミナルから2〜3分に1本の頻度でバスが出発している。木更津エリアでは東京〜神奈川方面が通勤圏となったことから、この10年で定住人口は約10%増えたという。


朝は山手線並みの本数のバスが走る ©iStock.com

 当初、東京湾アクアラインの通行料金は、1兆4400億円という巨額の建設費を償還するため、片道5050円(普通車、以下同)となるはずだった。だが、第2次橋本龍太郎内閣の建設大臣だった亀井静香の鶴の一声で見直しが決まり、結局、開通から5年間は4000円、6年目以降は4900円に引き上げるとされた。ただし、その後、交通量の低迷とアクアラインの有効活用などを理由に、4年目の2000年にはアクアライン特別割引が実施されて3000円に引き下げられる。さらに09年には、千葉県知事選で当選した森田健作の公約どおり、ETC無線走行にかぎり800円のアクアライン割引が適用され、現在にいたっている。


アクアライン値下げの要望書を金子一義国交相に手渡す森田健作知事(2009年) ©共同通信社

(近藤 正高)