メジャーでも「5本の指」に入る実力

 その能力を反映させたのが出塁率(〔安打+四球+死球〕÷〔打数+四球+死球+犠飛〕)だ。エンゼルスのリード打撃コーチも、最も重視する数字は出塁率だと明かしてくれた。

 また、打率は単打と長打を同等に扱ってしまう。10打数でシングルヒットを5本打った選手と、ホームランを5本打った選手が同じ5割という数字なのである。そうした選手の長打力の差を表すのが、長打率(塁打数÷打数)だ。各打者が1打数あたりに稼げる進塁数の期待値を示す(こちらは、打率や出塁率と違って割合〔パーセンテージ〕ではないことに注意したい)。

 その出塁率と長打率を足し合わせたOPSで、大谷は規定打席に達している選手の中では、ア・リーグ2位、メジャー全体で5位の.965である。つまり、打撃力だけを見ても、大谷はメジャーで5本の指に入る選手なのだ。こんな日本人、もっといえばアジア人の打者は存在しなかった。

 ちなみに、2021年のOPS上位選手がこちらだ。特に大谷より上位にいる4人は、みんな今の野球界を牽引するスーパースターたちである。

 カメラやレーダーを使って選手やボールの動きを解析できるスタットキャストも、大谷がメジャーを代表する強打者であることを示す。

 大谷の打球初速度の平均は、昨年の92.6マイルを上回る93.6マイルで、規定打席に達した打者の中では6位。

 屈強な体で知られる同僚トラウトの通算平均(91.3マイル)を上回る速度だ。余談だが、大谷と特に仲の良いチームメイトとして知られるデービッド・フレッチャーの平均打球速度は、規定打席をクリアしている132の打者ではダントツの最下位82.3マイルだった。