また、打球の理想の初速度と角度の組み合わせをバレルと呼ぶ。具体的には、過去の統計で打率5割以上かつ長打率1.500以上となる組み合わせだ。最低でも初速度98マイルが必要で、その場合、打球角度は26〜30度でなくてはならない。そこから速度が速くなればなるほど、バレルになる角度の範囲も広がる。バレルでとらえた打球が10パーセントを超えれば優れた打者だと言われるが、大谷はフェアになった打球の22.3パーセントがバレルで、堂々のメジャー1位である。

「三振は悪」ではない

「コンスタントに強い打球を打てるのは技術」とMLB公式サイトでスタットキャストのデータ分析を専門とするアドラー記者は話す。

 メジャーワースト4位の三振数を気にする人もいるかもしれないが、今はさほど「三振が悪」だとは考えられていない。

「ツーストライクと追い込まれて、バットを短く持って当てにいったら、弱い打球でアウトになるだけ」とフレッチャー記者は言う。

「それだったら強く振ってホームランを狙うべき。三振も、ゴロや凡フライも一つのアウトには変わらない。そういう考えの人が増えて、多くの打者も取り入れた。それが正しいかどうかは議論の余地があるが、それが2021年の野球というものであり、大谷もそれに倣っている」

 大谷も長打と三振は「紙一重」と述べている。三振を恐れてノーストライクやワンストライクから際どい球を打ちに行くと、長打が出る確率は減る。特に2021年の大谷は相手に警戒されて甘い球が減った。

「今の状況では特に浅いカウントとかは厳しいところ、ボールでもいいぐらいの感じでカウントをとりにくる場面が多くなっているので、無理にそこに手を出す必要はないかなと思っています。その結果、ツーストライク後の打席が多くなるので、三振も多少増えるかなと思います」

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(志村 朋哉)