生涯で2人に1人がかかると言われる「がん」。でも、知っているようで、知らないことも多いのではないでしょうか。そこでジャーナリストの鳥集徹さんに、素朴な疑問をぶつけてみました。参考文献として信頼できるサイトのリンクも紹介しています。いざというときに備えて、知識を蓄えておきましょう。

A3 女性は大腸がんが多く、男性は肺がんに要注意。

 がん種別の罹患者数(かかった人の数)と死亡者数について、2016年から国立がん研究センターが予測値を公表するようになりました。それを見れば、男女別に多いがんがわかります。

 まずは女性から確認していきましょう。罹患者数の1位は「乳がん」です。「やっぱりな」と思った人が多いのではないでしょうか。2017年の罹患者数は89100人と予測されています。

 では、女性の2位はご存知でしょうか。実は「大腸がん」なのです。こちらは意外に思った人が多いかもしれません。2017年の罹患者数は64000人と予測されています。しかも、死亡者数を見ると24700人と1位です。一方の乳がんの死亡者数は14400人で、5位に下がります(死亡者数の2位は肺がん、3位は膵がん、4位は胃がん)。

 大腸がんは牛肉や豚肉などの赤肉やハム・ソーセージなど加工肉を多く食べる人のリスクが高いことが知られています。また、アルコールとも関係があると言われていますので、男女問わず焼肉とビールが大好きという人は気をつけたほうがいいかもしれません。

 ただ、日本人はリスクが高まるほどの量の肉類を食べている人は多くありません。ですから、大腸がんを心配して肉類を控えるよりも、気になる人は大腸がん検診(便潜血検査)や内視鏡検査を受け、「下血する」「便通が悪い」などの症状がある人は早めに専門医に見てもらってください。


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 一方、男性の2017年の罹患者数1位は「胃がん」です。ただ、胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ(いわゆるピロリ菌)は年齢が低いほど感染率が低く、今後は患者数も減っていくと予想されています。

 男性の罹患者数2位の肺がんも、喫煙率が下がるとともに患者数は減っていくと予想されますが、死亡者数は1位で55600人も亡くなると予測されています(死亡者数の2位は胃がん、3位は大腸がん、4位は肝がん、5位は膵がん)。男性はタバコを吸うために、がんになる人が多いのです。ですから禁煙に努めるとともに、気になる人は定期的に肺がん検診を受けるか、咳が止まらない症状があれば早めに専門医を受診するべきでしょう。

 ところで、男性では前立腺がんの罹患者数が増えており、2017年は3位(86100人)まで上昇しています。しかし、死亡者数はその7分の1の12200人で6位です。実は、血液検査でPSA(前立腺特異抗原)を調べる検診が普及したため、発見される人が増えたのです。

 前立腺がんは進行が遅いことが多く、年齢が高いほど前立腺がんが見つかっても、それが死因にならないことがよくあります。見つかったとしても治療すべきかどうか、専門医とよく相談してから決めてください。

【参考】 「2017年のがん統計予測」 (国立がん研究センターがん情報サービス)

(鳥集 徹)