9月7日の日中、横浜市港北区新横浜の路上を仲睦まじく歩く男女の姿があった。間もなく、2人は「Another World」という文字が壁面に書かれたラブホテルに入室する。だが、数時間後の同日午後6時40分頃、室内から変わり果てた女性の姿が発見された――。


事件現場となったラブホテル周辺

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SNSを通じて知り合った女性を殺害

　社会部記者が解説する。

「その日、利用客がチェックアウト時間を過ぎても退室しないため、従業員が部屋に入ったところ、クローゼットの中で体育座りをしている女性を発見。顔には複数の打撲痕があり、すでに息絶えていた」

　司法解剖の結果、女性の死因は脊髄損傷。9日朝、事件は急展開を迎える。新横浜から約120キロ離れた静岡県内の警察署に1人の男が現れたのだ。

「女性を殴ったりしたら死んでしまった。その後、ホテルを出ました」

　親族と共に出頭した男は、そう自供した。殺人と死体遺棄容疑で緊急逮捕されたのは、職業不詳の土屋京多郎容疑者（24）だった。

「土屋は『数日前、1人で横浜にやってきた』と供述。犯行後、女性を置いてホテルを出た土屋は新横浜から新幹線に乗り、西に逃亡。その途中、静岡県内で下車し、親族のいる富士市に向かった。観念した土屋は、犯行を告白。親族に促され、警察署に出頭した。ところが、逮捕後の土屋は『やっていません』と否認に転じたのです」（捜査関係者）

　その後の捜査で、殺害された女性は神奈川県海老名市に住む増田有華さん（32）と判明する。

「数カ月前、SNSを通じて知り合った。事件前にも複数回会った」

　土屋はそう供述する一方で、トラブルの詳細や動機について口を閉ざしているという。

「小さい頃は静かな子で友達に囲まれている感じじゃなかった」

　1999年、土屋は京都市内で生まれた。父は大手広告代理店のエリート社員、母は専業主婦。両親は古刹の境内にある名門幼稚園に愛息を通わせた。

「約7割が立命館、同志社などの私立小に進学する。西陣織の名家、医者、芸能人の子供ばかり。サラリーマン家庭でうちに通わせるのは、教育意識が高い家庭やろな」（当時の園長）

　幼馴染の親が当時を回顧する。