不肖・宮嶋、再び、北海道から鹿児島の離島まで国防最前線の視察の旅に出ることにあいなった。まずは紅葉まっさかりの北海道からである。なんちゅうても「でっかいどう! 北海道!」である。 前回の不肖・宮嶋の憂国レポート をご覧の皆様はご存じの通り、来年からは戦車の実働部隊がいなくなる本州と違うて、いま北海道はウクライナへの侵攻を続けるロシア軍と対峙している最前線でもある。


戦車射撃競技会 ©宮嶋茂樹

“戦車射撃競技会”に女性戦車小隊長が!

 退役する74式戦車にかわって、50トン超の90式戦車、その90式戦車と同じ武装ながら44トンと軽量化、さらに機動力、データリンクが進化した最新式の10式戦車がまだまだ現役、ブイブイ言わせとるのである。しかもここはその名も「北海道大演習場」や。さらに155mm榴弾砲やHIMARS(ハイマース・高機動ロケット砲システム)が長距離で射撃できる「矢臼別演習場」もある。

 まずはやってきました。北海道大演習場、略して「北大演」(ほくだいえん)。札幌市、北広島市、恵庭市と千歳市にまたがる、その名の通り大演習場で、「北部方面隊による戦車射撃競技会」が今年も実施されたのである。その主幹となる第7師団は現在、日本唯一の機甲師団であると同時に日露戦争でも勇名を馳せ、その当時からも、北海道がホームである。

 北大演での戦車射撃場に第7師団隷下や北海道に拠を構える戦車部隊が、我こそは日本一の戦車乗りを名乗らんと馳せ参じてきたのである。しかも競技会である。各戦車乗りは部隊の名誉も賭け、勝負に挑んでくるのである。

 競技の内容は昨年とほぼ同じ、4両の戦車で構成された1戦車小隊ごとに、はるか数キロ先に突如現れる、敵戦車、敵APC(装甲車)、敵兵に模した標的に対し、120mm砲の徹甲弾か対戦車榴弾(HEAT弾)かまたは機関銃と適切な武器を素早く選択し、実弾で射撃し、その精度とスピードで戦闘力を数値化し、最強の戦車部隊を選ぶという戦いが繰り広げられるのである。

 今年度の特徴としては、やたらと女性戦車小隊長が多い。紹介させていただく第71戦車連隊第2中隊第1戦車小隊長清水由江(よしえ)2等陸尉と第73戦車連隊第1中隊第2戦車小隊長米澤陽花(はるか)3等陸尉もそうである。