総理になるためには、国会で過半数に「吉村洋文」という名前を書いてもらわなければなりません。そのためにまず国会議員になって、維新の代表になって、さらに維新が政権与党にならなければなりません。現実の行程を考えるととても険しい道のりが待っています。

鈴木直道のほうが国政に近い?

 その点で、39歳の鈴木直道知事のほうが道は近いかもしれません。北海道の地元メディアの知人に聞くと「彼は知事を2期やって国政だろう」と。47都道府県知事で現在最年少ですが、彼が自民党から国政に出馬し、若きエースとしてひと暴れする可能性はある。ただし鈴木知事も1期目の途中。任期は2023年まであります。

 小池知事については与野党に敵をつくり過ぎました。国会議員に戻れてもそこから先の展望が見えません。

 安倍総裁は来年9月末には任期満了を迎えます。東京都知事選に名乗りをあげた山本太郎氏(7位)も含めて、“非国会議員”は人気投票で上位にあがってきても、来年秋までの「ポスト安倍」レースのゴールラインまで走り切ることは難しいでしょう。

“人気1位”石破茂のライバルは?

 現実的に「ポスト安倍」を考えたとき、国民から人気のある石破氏か、安倍首相が後継の最有力と目論む岸田文雄党政調会長(6位)か、という声が永田町周辺でも聞こえてきます。

 昔からよく言われてきたことですが、総理大臣になるには色んな条件がある。なかでも、自民党で大事だとされてきたことに「床の間を背にして似合う人」というのがあります。つまり「すわりがよい」ということ。

 安倍首相はそういう意味で「すわりがよかった」。政治家一族のプリンスで見栄えもよいし、清和会という伝統ある派閥の背景もある。

 では石破氏は「床の間を背にして似合うか」。私は“若干”はあると思います。

 対して岸田氏はどうか。コロナ危機において、政調会長という立場は相当働けたはずです。しかしスピードも遅かったし、アイデアも分かりづらかった。たとえば10兆円の予備費の問題がありますが、ここでも岸田案を明確に示すことができたはず。岸田氏が中心になった「事業者への家賃補助」のスキームも非常に理解しづらいものでした。

 岸田氏は“優等生”タイプで、平時であれば間違いなくトップ候補です。宏池会という派閥の長であり、現首相の禅譲路線。安倍・麻生・岸田の3派連合が固まれば不動のものだった。しかしこういう事態のとき議員心理は「安倍さんが勝ち続けた選挙のときとは違う」と。そして「誰なら選挙に勝てるのか」という個々の議員の思惑が表面化してきます。派閥の論理が薄らぎ、岸田氏が“安倍首相の流れ”だということがマイナスになってしまう可能性があります。「路線を転換して欲しい」という世論に岸田氏はどこまで応えられるでしょうか。