「世論調査によって国民に広く支持されていることが明らかになっている天皇・皇后両陛下の長女・愛子さまの天皇ご即位の実現に、暗雲が立ち込めてきました」


愛子内親王殿下(宮内庁提供)

菅首相は「男系継承最優先」と発言

 ある宮内庁関係者はこう語る。男系男子継承を絶対視する安倍晋三前首相が退陣し、菅義偉首相が昨年9月に第99代内閣総理大臣に選出されて以降、菅首相誕生最大の功労者である自民党の二階俊博幹事長や菅内閣の重要政策を担う河野太郎行政改革担当相らが過去に10代8人が即位している女性天皇や、母方だけが天皇の血を引く女系天皇の容認派であることから、愛子さまのご即位を可能にする方向で検討がなされる可能性を指摘する声が一部で広がっていた。共同通信が昨年4月25日にまとめた世論調査の結果では、女性天皇に賛成が85%に上っていたこともその背景にはあったとされる。

「しかし、菅首相は今年1月3日のニッポン放送のラジオ番組で『まず男系継承を最優先にしていくべきだろう』と発言しています。これは、秋篠宮家の長男・悠仁さまの存在がある以上、あくまでも父方が天皇の血を引く男系男子による皇位の継承を守るという意味です。言外に、継承できる男性皇族がいる以上は女性天皇を可能にする制度設計は考えないという意味が含まれていると考えられます。オランダ、スウェーデンなどの王族のように長子優先の皇位継承はおろか、男系が途絶えた場合に備えて女性の皇位継承への道筋をつけることも否定しているわけです。

皇位継承の問題には手を付けたくない、というところが本音か

 この背景には、新型コロナウイルスの感染拡大対策の失敗があるというのが大方の見方です。ラジオ番組の収録は昨年12月18日でした。その直前の14日に菅首相は、急激に感染が拡大したことを理由に停止を求める声が強まっていたにもかかわらず強引に進めてきた『GoToトラベル』の一時停止を一転して表明しました。今年1月2日には東京、千葉、埼玉、神奈川の4都県の知事から政府に緊急事態宣言再発令の要請があったことを受け、7日に宣言を発令しています。

 菅首相自身には男系男子継承にこだわりはないように思われますが、コロナ対応の失敗によって内閣支持率が急降下する中、自民党内でも意見の分かれる皇位継承の問題には手を付けたくないという菅首相の本音が透けて見えるようになってきているのです」(同前)