10月31日投開票の衆院選で、茨城6区から当選した自民党の国光文乃衆院議員(42)の支援団体が選挙活動で現金を配布するなどして、公職選挙法違反(有権者買収)の疑いが強いことが「週刊文春」の取材でわかった。案内状や領収証を入手し調査したところ、複数の有権者が現金授受を認めた。

 国光氏は元厚労省の医系技官で、保健局医療課課長補佐などを歴任。退官後、2017年の衆院選で初当選を果たした。

「丹羽雄哉元厚生相の地盤を継ぎ、落下傘候補ながら初陣を飾りました。2018年から岸田派に所属しています。医師免許を持ち、地元でワクチン接種を自ら行うなど、“コロナの専門家”をアピールしてきました」(政治部記者)

 ただ、今回の衆院選では、野党が候補者を一本化。保守王国・茨城にあって、激戦区の一つと見られていた。

 そこで、応援演説に現れたのが、岸田文雄首相や安倍晋三元首相だった。


現職首相が駆け付けた(国光氏のツイッターより)

「岸田首相は10月26日、茨城6区に入り、『6区は大激戦区ですが、何としても国光文乃を勝ち抜かせて下さい!』などと訴えていました。安倍氏も翌27日に応援に入った。結果、国光氏が野党候補に約1万2000票差をつけ、2回目の当選を果たしたのです」(同前)

 この岸田首相の応援演説を巡っては、「茨城県運輸政策研究会」が専務理事名で、〈自民党総裁 岸田文雄氏 遊説への参加協力につきまして〉と題した案内状を、運輸政策研究会傘下の石岡、土浦、常総の関係支部長に送付していた。

「茨城県運輸政策研究会は、県内約1600社の運輸事業者が加盟する一般社団法人『茨城県トラック協会』が1998年に設立した団体です。県内に13の支部がある。茨城6区の場合、石岡支部に石岡市と小美玉市、常総支部につくば市とつくばみらい市、土浦支部に土浦市とかすみがうら市が所属しています。茨城県連に献金するなど、自民党の支援団体です」(協会関係者)

 案内状には、岸田氏の応援演説の日時と場所に加え、以下のような文言が綴られていた。

〈首題の件につきまして、推薦者である衆議院議員 国光あやの氏より別添のとおり案内が送付されております。(略)要請人員につきましては、問いませんが最大で5名以内とし、ご協力いただける範囲でご協力をお願い致します〉

 国光氏から送付されたとする〈別添〉の文書には、右肩に小さく〈事務連絡〉の文字。そして〈岸田文雄/自民党総裁 来たる!!〉と大文字で強調され、演説の日時と場所が記されていた。