1月上旬、山田遥楓(26)は、福岡県久留米市内の野球場で自主トレに励んでいた。バックネット裏には、ひときわ熱い眼差しで山田の背中を追う女性がいる。


久留米市で自主トレに励む山田 ©吉田暁史/文藝春秋

 やがてネット越しに目を合わせた山田と女性。娘を抱いた女性は、ゆっくりとスタンドを降りていく。そして山田はグラウンドを抜け出すと、球場の外にいた2人のもとへ駆け寄った――。

妻によるチームメイトへの中傷事件で日ハムに移籍

 地元の県立佐賀工業高校から2015年、ドラフト5位で西武に入団した山田。

「内野全ポジションを守れるため重宝され、2021年には一軍で98試合に出場。元気で明るい性格で、チームを盛り上げていた」(スポーツ紙記者)

 昨年11月、山田はトレードで日ハムに移籍する。そのきっかけは西武で起きたSNSによる中傷事件だった。

 ターゲットとなったのはキャプテン源田壮亮の妻・衛藤美彩。坂道グループの乃木坂46で活躍した元アイドルである。衛藤のSNSには2年間も匿名の中傷メッセージが届いていたのだ。悩んだ2人が発信者情報開示請求に踏み切ると、犯人は何と山田の妻だった。

「源田は球団と話し合い、8月下旬、チームメートに事情を明かした」(同前)

 昨年9月、小誌報道でこの事件が明るみに出ると源田は自身のSNSで、「私たちの家の住所、妊娠、その他様々な情報などが晒され続けたことにより、引っ越しはもちろんのこと、身の危険、自分の身近の人なのか?という人間不信や不安が続き、精神的に追い込まれた状態に陥ってしまいました。球団関係者が知人に話してしまったことが悪用されているのではと思い、極めて悪質であることと、身を守るためにもアカウントの開示請求に踏み切ることを決心しました」と開示請求の理由を説明した上で、「当該選手から野球を奪わないで欲しいという想いを球団に相談させて頂きました」と山田に対して、配慮を見せた。

 山田は「再調整」を理由に二軍落ちし、一軍に戻ることは無かった。そして11月、日ハムにトレードで出されたのだった。

 日ハムの移籍会見で新庄剛志監督は「彼の元気は、すばらしい」「守備に関してはもう、トップレベル」などと絶賛した。

 その山田は今、妻と息子を都内の自宅に残し、佐賀市内の実家にいる。そこで彼が頻繁に会っているのが、冒頭の女性である。