参加者が減少した正義連の集会

 28年間にわたって大使館の正門前に陣取っていた正義連は、大使館の斜め前にある聯合ニュースの本社社屋前に押しやられた形だ。慰安婦像から10メートル余りの直近とはいえ、集会の動員人数は以前よりも確実に減っている。雨の中での「集会は続けます!」との叫び声は悲痛だった。

 学生たちが座り込んで取り囲んでいる慰安婦像は、2011年の水曜集会1000回を記念して、正義連が設置したものだ。その団体で長らく幹部、代表を務めたのが、この春に左派系与党「共に民主党」の1年生議員となった尹美香(ユン・ミヒャン)氏。開城の連絡事務所爆破など北朝鮮からの挑発が続いた6月以降も、韓国では、尹美香氏や正義連による元慰安婦への寄付金がらみの疑惑が、連日報じられている。

 最近では、認知症の元慰安婦の女性に「私に関するすべてを整理することを挺対協の尹美香代表に任せる」との遺言を残させ、その遺言動画が動画投稿サイトに掲載されていたとの報道が問題になっている。この元慰安婦が国民から受け取った1億ウォン(約900万円)の寄付のうち、5000万ウォンを正義連に寄付していたという。すべて認知症の薬を服用し始めた後だったそうだ。

「被害者のおばあさん(元慰安婦)に寄り添って」いたはずの尹美香氏だが、認知症の老女に寄り添って、搾り取るだけ搾り取ろうとしていた――この報道が事実なら、「被害者」である老女をさらに被害の奈落に突き落とすようなことを平然と行っていたことになる。

疑惑暴露の元慰安婦と和解?

 自らの疑惑で追い込まれている正義連。その疑惑を真っ先に暴露し、寄付金の使途などをめぐり正義連を批判、集会の廃止を求めたのが元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さんだった。

 ところが、李容洙さんとの和解を、正義連は1日の集会で一方的に表明した。尹美香氏の後を継いだ李娜栄(イ・ナヨン)理事長は、6月26日に李容洙さんと面会し、「慰安婦歴史教育館」の設立などの共通課題を確認したと報告。李容洙さんは「元慰安婦が生存している地域の団体と水曜集会を行ってほしい」と述べ、自身も集会に出席する意向を示したという。

 さらに、李娜栄理事長は「李さんと正義連の間に入り、誤解と対立を煽る者がいる」とし、正義連を批判する保守勢力を批判した。

 ただ、複数の韓国メディアが李容洙さんの養女の話として報じたところによると、「李娜栄理事長の発言を伝え聞き、李容洙さんが激怒した」という。また、李容洙さんが水曜集会に出席する意向を示したというのも、「正義連の問題がすべて解決した後」の話だというのだ。

 正義連は自分たちの都合のいいように李容洙さんの発言を解釈して公表し、また一つ、墓穴を掘ってしまったようだ。