さらに“第4の団体”が現れた……

 このように疑惑続出で世論から冷ややかな目を向けられ、日本政府への抗議集会の場所をなくした正義連だが、さらに「水曜集会」には新たな横やりが入ってきた。正義連が過去2回集会を行った聯合ニュース本社前の場所に、新たな保守系団体が集会開催を申請したのだ。

「反日銅像真実糾明共同対策委員会」と称する保守系の市民団体が7月29日から毎週水曜日、正義連が現在集会を行っている場所での集会開催を地元警察に届け出たという。

 場所を押さえられた正義連は当然、また「水曜集会」の場所を変えざるを得ない事態に追い込まれた。日本大使館周辺はオフィス街で、集会の開ける場所も限られる。保守系団体が場所を押さえた7月29日は、正義連にとって1450回目の集会にあたる。1000回の集会で記念に慰安婦像を設置したが、それから500回目を目前にして、慰安婦像の前どころか、近隣での開催自体が危うくなっていた。

そして、行政によって集会は全面禁止に

 さらにそんな混沌とした状況の中で、行政が動き出した。7月3日、日本大使館前での集会が全面的に禁止となったのだ。理由は新型コロナウイルスの感染拡大の防止だという。

 地元のソウル市鍾路(チョンノ)区は、集会禁止区域として日本大使館周辺を指定し、当然、慰安婦像一帯も含まれている。感染症予防法に基づく措置で、禁止措置は感染の危機警報が「深刻」を解除されるまでだ。

 集会で混乱する現場に頭を悩ませる当局の“苦肉の策”の感もある。正義連はもちろん、保守系団体も集会が開けなくなる。

 だが、集会が禁止となった7月3日当日、日本大使館前に足を運んでみると、以前に比べて静かになってはいたが、左派の学生らはこの日も座り込みを続けていた。炎天の下、日傘をさして像から離れようとはしない。

 尹美香氏や正義連の疑惑も、ウイルス感染問題も座り込みを続ける学生らにとっては関係がないようだ。もはや彼らにとって慰安婦像を中心とした日本大使館前の路上は、彼らが生まれる前から集会が毎週続いている「聖地」。正義連本体の集会が慰安婦像から遠ざかることを余儀なくされても、正義連による慰安婦問題の教育が染みついた学生たちが、正義連に代わり決死の覚悟で慰安婦像を守っている。

 集会が当面、全面禁止となったソウルの日本大使館前だが、この夏は学生らによる慰安婦像周辺の「占拠」が続きそうだ。

(名村隆寛(産経新聞ソウル支局長)/Webオリジナル(特集班))