一大混乱に陥った韓流ビジネス界

「芸能界で学暴スキャンダルが起こったのは今回が初めてではない。過去にも新人がデビューすると、学暴問題が浮上する場合が結構あったので、企画会社はこれまでも新人を選ぶ際に注意を傾けてきた。練習生を選抜する際には、必ず本人に学暴の有無を確認する。本人から学生時代の学生簿を提出してもらって学暴に関する記録を確認する。それでも検査の網から漏れてしまい、デビュー後に過去の学暴が発覚する場合は、それまで育成に費やした費用を諦めて該当芸能人を契約解除するしかない。これに加えて、巨額の賠償金まで背負うべきだということになれば、エンターテインメント業界から大きな反発が出てくるだろう」(前出の芸能専門記者)

 最近、韓国のエンターテインメント業界の4団体は「過去の芸能人学校暴力問題」に関して立場を表明する文書を発表した。 ここでは、「最近の事態は、過去の過ちが明らかになった芸能人個人だけの問題に留まらず、大衆文化芸術産業の構造上、さらなる被害をもたらしている」「事実についての厳正な調査が行われていない状況で、大衆文化芸術産業を萎縮させ、善良な芸能人に致命的な打撃となってはならないという点を訴えたい」と、学暴問題に対する韓国芸能界の憂慮を訴えた。

 韓国社会を揺るがしている学暴問題で、現在絶頂期を迎えている韓流ビジネス界が、まさに一大混乱に陥っているのだ。

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 金敬哲氏による「 韓国『#学暴MeToo』の無限地獄 」は「文藝春秋」5月号および「文藝春秋digital」に掲載されています。

(金 敬哲/文藝春秋 2021年5月号)