日本と欧州連合(EU)は13日、経済連携協定(EPA)交渉の首席交渉官会合を東京都内で開き、大枠合意後に積み残した投資分野の項目について本格的な協議に入った。発効に向けた協定の条文作りの進展状況も確認。年内の最終合意に向け作業を加速する。首席会合は大枠合意後初めて。日本の鈴木庸一首席交渉官は「いくつかの問題は(合意が)簡単ではないと思う。より複雑な問題について協議しよう」と呼び掛け、EUのペトリチオーネ首席交渉官は「体系的に議論しよう」と応じた。

 交渉で積み残したのは、企業が海外で工場建設などの投資を行った後、進出先国の制度変更で損害を被った場合、相手国に賠償を求める紛争解決の方法。

 日本は従来のEPAと同様に企業が世界銀行傘下の仲裁機関に訴える制度の導入を主張。しかしEUは国家主権が企業主導の訴訟で制限されかねないと反対しており、より手続きが厳格な投資裁判所の新設を求めて意見が対立している。

 日欧は平行して協定の条文を作成し、紛争解決手続きを含め最終合意したい考え。その後は双方の国内手続きに移り、2019年の早い段階の発効を目指す。EU全加盟国の議会承認には時間がかかるため、関税分野などを先行させる「暫定発効」案も浮上している。

 一方、日本国内ではEPAで合意した関税の撤廃・削減で欧州産の農林水産物がより安く輸入されるため、影響を受ける産地の支援が必要だ。牛・豚肉生産者の赤字を穴埋めする制度の拡充や、チーズ用の生乳を賄う酪農家向けの補給金上積みといった影響緩和策の実施が見込まれている。

 政府は11月にも国内の影響試算を出した上で対策を固め、17年度補正予算や18年度以降の予算に必要経費を盛り込む構えだ。