お笑いコンビ「ずん」の飯尾和樹は、初のエッセイ集『どのみちぺっこり』(PARCO出版)のなかで、ビートたけし、明石家さんま、タモリら大物芸人たちの素顔を明かしている。

間近に接した飯尾だからこそ知る、「お笑いビッグ3」の名言集をまとめた。

「手伝ってよ」

AFP=時事

ビートたけし


たけしさんは、本当に後輩に優しい人だなって。

もちろん僕は軍団さんみたいな距離感じゃないですし、随分丸くなってからお会いしたからかもしれないですけど。

「今度ネタ番組をやるから、2人のネタを送ってくれ」と言われてDVDをお送りしたら、本当に見たのかな?っていうぐらい、すぐにオファーが来て。

たけしさんに「どうだ?」と言われたら、もう二つ返事じゃないですか。「やります! よろしくお願いします!」って。

すごいのは「手伝ってよ」って言うんですよ。普通言わないですよね、こんなペーペーに。「手伝ってよ」とこちらを立てつつ、「気楽にな」って。

周りの対応も急に変わりました。「あれ? この2人、たけしさんが…」って。

そうやって、いいラベルを貼って、ブランド力上げてくれるというか。本当にビックリしましたね。

「頭がいい奴は、売れるという保証のないものに人生を賭けられない」

時事通信

明石家さんま


お笑いって不安定な世界じゃないですか。さんまさんは「そんなところに時間かけられないってやめていく。面白かったら売れるって世界じゃないから」と言ってましたね。

やっぱり、続けても確実なものがない。「そこに3周も4周も5周もかけられへんねん」って。

M-1だ、キングオブコントだって、ドーンと一番目立って優勝しても、その後続けていくのは大変。だから結局、好きか嫌いかなのかな、と思いますね。

「笑いも時代を追っちゃダメだョ」

時事通信

タモリ


ある年のお正月、タモリさんに言われたんですね。

「イワイガワ」のジョニ男さんがタモリさんの付き人をしていた関係で、1月2日だったかな。「ちょっとタモリさん家に一緒に行きませんか」と声をかけていただいて。

タモリさんや奥さんのつくった料理をみんなで食べて、ゆっくり飲んでいる時にジョニ男さんが聞いたんです。

「タモリさん、もう一皮二皮むけて、上に行くにはどうすればいいですかね?」

そこでその言葉が出ました。

最初に思いついた奴が一番強くて、それを追いかけてもやっぱり薄いですよね。乗っかり癖がついちゃうと「じゃあお前一体何やりたいんだよ?」となっちゃうじゃないですか。

僕ら時代を読む力もないし、先見の明もない。

「これからこの流れがくる」なんてわからないから、相方のやすとおじさん2人で喫茶店で話して、ゲラゲラ笑ったことを盛り込みながら商品化していますね。

PARCO出版 / Via amazon.co.jp

飯尾和樹『どのみちぺっこり』


〈飯尾和樹〉 東京都出身。1968年12月22日生まれ。1990年、浅井企画に所属。お笑いコンビ「チャマーず」「La.おかき」を経て、2000年に相方やすと「ずん」を結成、ボケを担当する。バラエティー番組からドラマ、映画まで幅広く活躍中。