Design by Emi Tulett / BuzzFeed


味の素冷凍食品の「ギョーザ」が、とにかくおいしい。

油・水なし。冷凍された餃子をフライパンに並べるだけで、いとも簡単においしい羽根つき餃子が焼けてしまうのだ。

冷凍餃子界に革命をもたらしたこの手軽な調理法から、年間1億個以上を販売。家庭用冷凍食品の中で、18年連続で日本一の売上を記録している。

一体、なぜこんなにも簡単においしく作れてしまうのだろうか。どのような経緯で開発されたのか。「ギョーザ」の製品戦略を担当する、味の素冷凍食品の谷口玲奈さんに聞いた。

※2003年度〜2020年度、冷凍食品単品売上金額ベース、味の素冷凍食品㈱調べ


だれでもキレイに焼けるようになったワケ

Yuya Yoshida / BuzzFeed

ーー味の素の冷凍餃子を初めて食べた時は衝撃でした。めちゃくちゃ簡単なのに、めちゃくちゃおいしい……と。

今ではどこのスーパーにも置いてあるくらいの人気商品ですが、そもそもどういった経緯で開発されたんでしょうか。

ありがとうございます。最初に発売されたのは1972年で、来年の2022年で50周年を迎えます。今の油・水なしのスタイルになる前に、1997年のリニューアルで、まずは油なしで焼けるようになりました。

それから今度は水もなしで作れる羽根の素の開発にチャレンジして、2012年に今の油・水なしスタイルになったという流れがあります。

参考:駅のホームでギョウザが食える!? 今年もあの神イベントがスタート!!


▲1972年に発売された初代「ギョーザ」のパッケージ / 味の素冷凍食品

ーー料理が全然できない自分でも、本当にキレイな餃子ができちゃうことに感動しました。油に加えて水もなしのスタイルになったのは何かきっかけがあったんですか。

油なしのスタイルでも当時はイノベーションで、販売数も大きく伸びました。

実際、2000年ごろの冷凍餃子市場はチルド餃子の約半分だったのですが、2011年にはほぼ同等の割合まで増えました。お客様からも「おいしい」「簡単に調理できて助かる」といった声を多数いただいておりました。

このように油なしになっただけでも大きな発明だったので、当時の開発担当は「次はどこをどうすればよいのだろう」と悩んだそうです。そこで、改めてお客様の実態を調査したところ、衝撃の事実が発覚しました。

パッケージに作り方を書いているものの、その通りに作ってる人が少なかったんです。特に目立ったのは水の量をちゃんとはかっていないことでした。たっぷりと水を入れて途中で捨てるなど、結構自由な感じで「ギョーザ」を焼いていることがわかりました。

水の量はどうしてもできあがりを左右してしまうので、それなら油だけじゃなくて水もなしで作れるようにならないか、ということで検討を始め、油も水もなしで、ムラなくキレイに焼ける「羽根の素」を開発しました。


▲2012年にリニューアルされたパッケージ。油・水なしで焼けるようになった / 味の素冷凍食品

ーー作り手のスキルを問わず、あのクオリティの餃子が焼けちゃうのはすごいです。実は初めて味の素の餃子を食べたのは、3年前に両国駅で行われたイベントの時でした。スタッフさんにかなり丁寧に焼き方を教えてもらったのが今でも助かっています。

2017年より毎年開催している期間限定店の「ギョーザステーション」ですね。私も当時臨時スタッフとしてテーブルを回って、焼き方のコツを伝授していました(笑)。焼き目の仕上げをキレイにするには、最初の火加減と火を止めるタイミングが大事になってくるんです。

リニューアル前のパッケージでは「中火で約5分」という言葉とイラストだけで火加減を説明していたのですが、今ではイラストだけではなく写真も載せて、「中火」の火加減が誰にでもわかりやすいようにしています。

パッケージ通りの火加減で作っていただければ、ずっとコンロの前に張り付いている必要もありません。また、火を止めるタイミングとして、焼き色の目安も拡大写真で示すなど調理法の伝え方も工夫しました。


年に1回は時代に合わせた改良

▲「ギョーザ」 / 味の素冷凍食品

ーー単純な疑問なんですが、なんであんなにおいしいんですか。

ありがとうございます。本当に日々、研究所や実際に生産に携わっている工場のメンバーも含めてどうすればもっとおいしくなるのか議論し、改良につなげています。

原材料の処理の仕方もそうですし、工程のちょっとした工夫でできあがりが変わったりするんですね。

ーー「ギョーザ」は"永久改良"を掲げられていますね。

そうですね。大きく分かりやすいのは「油・水なし」になったことですが、細かい改良だと、ここ数年は年に1回ぐらいは原料や製法、味などの改良を続けています。

「グルメ」という言葉が広がったように、食に意識を向ける方がだんだんと多くなってきて、お客様の味の思考も変わっていくものだと思います。

消費者調査をやったりしながら、世の中の変化に合わせて味の方向性をアップデートしていくようにしていますね。


味の素冷凍食品

ーーそれでいうと、今はどんな方向性なんですか。

大人から子供まで、家族みんなで楽しめることを大事にしています。食べやすいサイズであったり、味付け的にはご飯に合うようになっています。ご飯がパクパク進むような味付けですね。

一方で「もう少しさっぱり食べたい」「ニンニクが入ってない方がいい」という声も届くようになり、2018年に「しょうがギョーザ」を発売しました。

こちらも定番になっていて、常にその時々のお客様の嗜好を意識しながら商品を展開するようにしています。


▲昨年10月にYouTubeで公開された「ギョーザ」の製造過程の様子。「ギョーザ」は2014年には国産の野菜に、2019年には肉も国産に切り替え、具に使用する素材はすべて国産のものを使っている / 味の素冷凍食品 / Via youtube.com

ーー昨年、そのおいしさができあがるまでの製造工程の映像をYouTubeに投稿されました。全部で144の工程があるそうですが、どんなポイントがありますか。

まず原料調達からこだわっていて、旬のいい素材を常に選べるような体制を整えています。それから仕入れた原料をカットして箱詰めまで行いますが、全てを機械で自動化しているのではなく、実はちゃんと手作業で行う部分もあり、人の手も多くかけています。

皮も工場で作っているのですが、小麦と塩と水を真空でこねているので、水分がちゃんと均一に行き渡るようになっています。そのため、薄くてもコシが強く破れにくい皮ができあがります。

お家で手作り餃子を作る場合、皮はスーパーなどで買ってきたものを使うことが多いと思いますが、「ギョーザ」ではできたての皮を使っています。もしかすると、その辺りもおいしさのポイントになっているかもしれません。


冷凍食品は手抜きか。論争から感じた世の中の変化

▲発端はとある主婦のツイート。内容は、夕飯に冷凍餃子を出したところ、子供は喜んだもののパートナーに「手抜き」と言われたことを嘆くものだった。このツイートを受けて、味の素冷凍食品の広報担当者が、冷凍餃子は「手抜き」ではなく「手“間”抜き」であるという一連の内容をツイート。計3つのツイートで44万いいね、13万RT以上拡散された。優秀なPR活動を表彰する「PRアワードグランプリ 2020」では、シルバーを受賞するほどの注目を集めた。 / Via Twitter: @ffajinomoto

ーー工程の部分でいうと、味の素冷凍食品さんのTwitterで発信された、冷凍食品を使うことは「手抜き」ではなく「手“間”抜き」であるという、いわゆる「手間抜き論争」がTwitterを中心に広がりました。

「ギョーザ」は冷凍食品ですが、手作りの餃子と同じプロセスで作られています。仕上げはご家庭のフライパンで焼いていただくので、手作りの餃子と何ら変わりません。

「手間抜き論争」をきっかけに、食卓に出しても「家族がおいしい!と喜んでくれる」という声が増えて、世の中が少しずつ変わっていることをすごく実感しました。特に若い世代の方々が反応してくださっていたように思います。


▲「ギョーザ」の新CM。女優の堀内敬子さんと広瀬すずさんが出演している。 / 味の素冷凍食品

ーー4月にはまさに家庭で「ギョーザ」を楽しむ様子を描いたCMが放送されました。これも冷凍食品を肯定することがメッセージなんでしょうか。

おっしゃるとおりです。罪悪感なく、堂々と冷凍食品を食卓に出したっていいんだよ、ということを我々メーカー側から発信できたらいいなと。

時代が変わりつつも、まだまだ冷凍食品は「手抜き」というイメージが根深く残っていると思います。

商品のおいしさや製造の過程以外にも、作り手の気持ちに寄り添うような情報発信もとても大事だと考えていますね。

参考:冷凍餃子は「手抜き」か論争。味の素冷凍食品・広報、中の人は語る


焼き方のコツって?

気持ちいつもよりキレイに焼けた気がする。とはいえ、基本的にどう並べてもキレイに焼ける。

ーー最後に質問です。仕上がりはいつもキレイなのですが、焼く前の並べ方で迷うことがあります。ポイントはありますか。

個人的な経験則なんですが、隣同士をぴったりくっつけるよりも触れるか触れないかくらいの間隔をあけて並べた方がキレイに焼けると思います。

フライパンにお皿をかぶせてひっくり返すだけでお皿に盛れる商品設計になっているので、26センチ位のフライパンに円形に並べるのがひっくり返すときにズレにくく、フライ返しもいらないのでオススメの焼き方ではありますね。


味の素冷凍食品

<味の素冷凍食品「ギョーザ」>

油・水なしで誰が調理しても食欲そそるパリッパリの羽根ができる、うす皮パリッと、ジューシーで具がギュッと詰まった、売上日本一の焼き餃子。にんにくを使用していない「しょうがギョーザ」もある。どちらも国産のお肉と野菜を使用し、誰もが好きな、間違いない安定感のある王道のおいしさ。

※2003年度〜2020年度、冷凍食品単品売上金額ベース、味の素冷凍食品㈱調べ


食に関する「おいしい!」情報を配信中!

Design by Emi Tulett / BuzzFeed

特集「いろんなおいしい!」

あなたはどんな食生活を送っていますか。農林水産省の意識調査によると、新型コロナウイルスの影響で、自宅で食事をしたり料理を作ったりすることが多くなったという人が増えています。

特に若い世代(20〜39歳)では、食に関する情報の入手頻度や通販など"お取り寄せ"の利用も増えており、食べることへの関心はますます高まっているようです。

そこで、BuzzFeed Japanでは、5月24日(月)から30日(日)までの7日間、「食」をテーマにしたとっておきの「おいしい!」情報を配信中!

通販で買える最高のおつまみ、最近のすごい調理家電、地元民から愛されるソウフードなどなど、さまざまなおいしい!に関する記事を発信いたします。

ぜひ、特設ページをご覧ください!

Design by Emi Tulett / BuzzFeed


主な記事ラインナップ

Design by Emi Tulett / BuzzFeed