キリンが、おもしろいデバイスを開発した。塩味を増強させるお椀とスプーンで、減塩食に不満を感じる人向けに発売を目指す。

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キリンはヘルスサイエンス領域に力を入れており、2019年から明治大学との共同研究をスタート。お椀型とスプーンの2種類のデバイス「エレキソルト」をつくった。

これを使うと、食品中のナトリウムイオンの動きをコントロールする微弱な電流が流れ、減塩食品の塩味が約1.5倍に感じられるとしている。


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開発のキッカケは、キリンの担当者が大学病院で研究をしていた際、食事療法で辛い思いをしている患者が多いと知ったことだった。

なかには食欲が落ちてしまう人もいるといい、「おいしいものを我慢するのはとても辛いことです。『おいしい』をあきらめず、日本人の食塩の取り過ぎという社会課題にも向き合っていきたい」(新規事業グループ・佐藤愛さん)。


厚生労働省 / Via mhlw.go.jp

厚生労働省によると、日本人の1日の食塩摂取量は10.1グラムで、他国に比べて多い。世界保健機関(WHO)が推奨する量(1日5グラム未満)の約2倍という高水準だ。

生活習慣病の発症や重症化予防の観点から、厚労省は減塩に向けた取り組みの「更なる強化が必要」としている。

こうした課題を改善するため、キリンは減塩食に取り組む人へのヒアリングを通し、エレキソルトの開発を進めてきた。


お椀型のエレキソルトのデザインはスタイリッシュだ。

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汁物を飲むときや、ラーメン、うどんなどの取り分け用の器としての使用を想定している。


使い方は簡単。まず、下部にあるスイッチボタンを3秒間長押しする。

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すると、電源が入り、

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側面にある4本線のうち1本が点灯する。

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塩味調整は4段階からでき、電源ボタンを押すごとに強度を変えることができる。

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そして、底部に手を触れ、お椀に口をつけながら食事をすることで、効果を発揮する仕組みとなっている。

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スプーン型のエレキソルトは、こんな見た目をしている。

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お椀型のものとは別々で使い、こちらはカレーやスープなど食事全般で使うことを想定している。


同じくボタンを長押しすると電源が入り、

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4段階から強度を選択できる。

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そして、このように柄を持ちながら、食事を口に運ぶことで塩味が増強される。

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今後、食事満足度を評価する実証実験を行い、2023年の発売を目指している。

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キリンは記者会見を開き、減塩の味噌汁を試した消費者から「味が強くなり、コクが感じられた」「味が濃くなったので、おいしくなった気がした」などの評価があったと報告した。

筆者も減塩ラーメンでエレキソルトを試してみた。

まずデバイスの電源を切った状態でスープを飲み、その後にスイッチを入れて味の変化を確かめた。

正直なところ「ものすごく塩味が増した!」とまでは感じられなかったが、かすかに味が変化した感覚があり、驚かされた。

減塩食を必要とする人が食事を楽しめ、食習慣の改善にもつながるような未来がやってくればーー。

このデバイスのさらなる進化に期待したくなった。