川崎市にある多文化交流施設に在日コリアンの虐殺を「宣言」する年賀状が届いていた事態が問題となっている。これを受けて、国や市に早急な対策を求めるネット署名が始まった。

(*この記事にはヘイトクライムの文言が直接含まれます。閲覧にご注意ください)

Change.org


弁護士などでつくる「外国人人権法連絡会」が1月21日、呼びかけた。

同会が20日に発表した声明によると、「川崎市ふれあい館」には1月6日、「謹賀新年 在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう。生き残りがいたら残酷に殺して行こう」と書かれた年賀状が届いた。

1998年に桜本地区に設置された同館は、同区に多く暮らす在日コリアンの人たちと日本人を中心とした「市民として相互にふれあいをすすめること」を目的としている。

桜本地区ではこれまでもたびたび、ヘイトデモの被害を受けてきた。これは、川崎市で昨年成立した「ヘイト禁止条例」の立法事実(法律や条例が必要とされることを示す事例)にもなっている。声明では、こうも指摘している。

《同館は、これまでも日朝日韓関係のねじれなどがある度に、「朝鮮へ帰れ」との差別的脅迫電話がかかるなど、卑劣なヘイトスピーチ、ヘイトクライムの標的とされてきました》

《この脅迫葉書は、年始早々、「年賀状」という形式で、在日コリアン市民に対して虐殺を宣言して冷水を浴びせ、恐怖と孤立感、絶望の淵に叩き落とし、地域の分断、差別と暴力を煽動する極めて卑劣な行為です。これはヘイトスピーチ・ヘイトクライムであり、絶対に許してはなりません》

暴力犯罪の発生への懸念も

時事通信

2016年に川崎で開かれたヘイトデモ


神奈川新聞によると、年明けからの13日間で、同館の利用者は子どもを中心に利用者数が前年比で4分の1近く減少している。

声明ではこの報道に触れながら、「すでに具体的な悪影響が生じており、この脅迫葉書は多文化共生業務を妨害する犯罪行為(威力業務妨害罪)であることが明らか」と言及。「実際に暴力犯罪が行われる危険性も看過でき」ないとした。

そのうえで、国と川崎市に対して人種差別撤廃条約やヘイトスピーチ対策法に基づき、「市民を差別から守り、差別を根絶すべく、先頭にたち、毅然として対処すること」を求め、以下のようなことを「強く要請」した。


政府は、直ちに今回の脅迫状を強く非難し、このようなヘイトスピーチ・ヘイトクライムを決して許さないとの声明を出すこと。

川崎市は、直ちに今回の脅迫状を強く非難し、このようなヘイトスピーチ・ヘイトクライムを決して許さないとの声明を出すとともに、川崎市ふれあい館入口に警備員を配備する等市民の安全を守る具体的な対策をとること

警察は、犯人逮捕に全力をあげること


「Change.org」では1月21日から、声明と同様のことを国と川崎市に求めるネット署名が始まった。

コメント欄には「社会で許さないようにしないと」「軽視しているとやがて現実に事件が起こりかねない」などの声も寄せられている。