メルセデス・ベンツ GLAクラス

SUVのエントリーモデルとは思えない存在感

GLAクラスは、メルセデス・ベンツのオフロードモデルに使う“G(ゲレンデ)”と、リンクしたモデルの意をとった“L”を組み合わせた、SUVシリーズで最も小型のモデルだ。
2014年に登場して、2020年に今回試乗した2代目にフルモデルチェンジした。
日本への導入グレードは、2L ディーゼルエンジンに、ゲレンデの四輪駆動のノウハウを詰めこんだ「4MATIC」を搭載した仕様だ。
まずはスタイリング。スポーティで柔らかなフォルムだが、力強さも伴っている。
ベースは「MFA2」というFFのプラットフォームだ。そこにメルセデスが長年取り組んでいる、安全性を育んだFRの剛性感を共存させたアーキテクチャーとなっている。
近くで見ると塊感があり、プレス技術を駆使して作り上げられていることが分かる。ちゃちな感じは皆無だ。
メルセデス・ベンツ GLAクラス
メルセデス・ベンツ GLAクラス
メルセデス・ベンツ GLAクラス

SUVながらスポーティな走り

ドアを開けるときのハンドルと開閉の強度をつかさどるボディとドアのストライカーから、精度の高さを感じ取れる。
シートに腰を落ち着かせると、ガッチリとしたステアリングホイールがキャビンの安全性を教えてくれるようだ。
メルセデスは、まず座ったときのステアリングの剛性フィールを大切にするという。それがステアリングに手を添えると、しっかり伝わってきた。
エンジンを始動する。ディーゼルエンジンは思ったよりも静かだった。
メルセデス・ベンツ GLAクラス
メルセデス・ベンツ GLAクラス
セレクターレバーをDに入れて発進だ。ツインクラッチ式の2ペダルATは、発進と細かく動かすときにギクシャクするという特性があるが、メルセデスのDCTは非常にスムーズだ。
3人乗車で西湘バイパスを走る。この有料道路は、一時停止から短いアプローチで本線に合流しなければならないが、フロント部分が加速で持ち上がってもリアへすかさず動力を配分して安定感を作り出す。
走り出しの一般道ではけっこう硬め目のサスペンションでスポーティな感じがしたが、高速での継ぎ目を越えるときの動きは滑らかだ。
速度を変えての車線変更でも、常に同じような動きになるようなセッティングから、安全性への深い配慮を身体で感じ取れる。
追い越しの中間加速も十分すぎるほどのスタビリティで、軽やかな動きだ。
トランスミッションは8速になって一層スムーズになった。また、一般道でもギア同士の差が少ないので、ギクシャク感が皆無となる。
先代の7速のDCTとは全く違うフィーリングである。インフォテインメントは充実し、質感も向上している。
これを生み出しているのは、より強靭さを増した4代目のAクラスのプラットフォームだ。横置きユニットではあるが、SUVらしいFRのような力強さを感じる仕上がりとなっている。
質の高いコンパクトクロスオーバーSUVとして、プレミアム性をもたせることに成功したモデルと言えるだろう。
メルセデス・ベンツ GLAクラス
文/松本英雄、写真/尾形和美、柳田由人