昔は番犬やネズミ捕りとして飼われていた犬や猫も、今では室内で飼育するのが主流となり、家族の一員として考えられるようになった大切な存在。
一緒に過ごす時間が長くなればなるほど愛情が深まっていく一方で、人間のように思いを伝え合うことはできないことから、「一度でいいからペットと話をしてみたい」と子供ながらに思ったことがある人も多いのでは。

そんな幼少期に抱きがちな夢や願望を描いたのが「ねこのふくびき」という書籍。

主人公の「みゆ」は、「ルーク」という猫を飼っている小学一年生の女の子。ある朝、学校へ行く途中に知らない男の子から声を掛けられ、話を聞いてみると、なんとその男の子は人間の姿になった飼い猫の「ルーク」だというのです。見た目はふわふわのグレーの髪の毛に、青い目、とがった八重歯、片方だけしましまの靴下など、よく見ると確かに猫のルークに似た容姿をしています。

しかし、いったいどうして飼い猫が人間の姿になってしまったのか。男の子になった「ルーク」のポケットには「ねこのふくびきけん」が入っていて、そこには一等賞として、ペットが1日人間になれる「ねこのきゅうか」が当たったと書かれています。

その後、学校の校門へとたどり着いたものの、生徒でない「ルーク」をどうやって教室まで連れて行ったら良いのか分からず戸惑っていた「みゆ」。するとそこへ校長先生が現れ、「ルーク」の姿を見るとすぐに一日学校見学にやってきた子供であることに気づくなど、どうやら中には入れそうな様子。果たして「みゆ」と、人間の男の子になった「ルーク」は、学校でどんな1日を過ごすのか。
 
漢字にはすべて振り仮名が振ってあり、テンポよく話が進んでいく構成になっているため、絵本を卒業してひとり読みを始めた子や、読書がちょっぴり苦手な子にも読みやすい本書。
子供の夢が現実になったような楽しいストーリーで、読んだあとに心がほっこり温かくなる一冊となっています。

書名:ねこのふくびき
作者:木内南緒
挿絵:よしむらめぐ
出版:株式会社岩崎書店
仕様:A5判/80ページ
発売:2021年10月14日