苦手な人を見る女性

言い方がきつい、ムダに話が長い。職場にはいろいろなタイプの人がいますが、「この人とは合わないわ〜」という人もいるでしょう。

職場での人間関係に悩んだり、考え方や仕事のやり方の違いで評価されずに困っているなら、「他人に合わせる」力を磨き直してみませんか?人間関係をよくするだけで、認識ズレも解消できるかもしれません。

プロコーチの斉藤由美子さんに、他人に合わせる力の磨き方をうかがいました。

本音はどうであれ、テクニックで相手に合わせる

仕事を進めるうえで人間関係が邪魔をするのであれば、それを取り除いておきたいもの。「他人に合わせる」とは、仕事を前に進め、自分を正当に評価してもらうテクニックです。

「他人に合わせる」というと、ネガティブに聞こえるかもしれません。しかし、自分の本心や信念を変えるわけではありません。

相手にも状況や考えがあって仕事をしているので、皆が自分本位で仕事を進めてもうまくいかないのは当然です。本音はどうであれ、円滑なコミュニケーションのために相手に合わせるのです。

4つのタイプから苦手な相手を攻略

では、他人に合わせるとは具体的にどうするのでしょうか。

人はタイプによって、どのような反応や接し方を期待しているのかが異なります。タイプをパターン化して、相手の求める言動をすれば、どんな相手とでもスムーズなコミュニケーションをとれるようになります。

どんなタイプがいるのかは、「ソーシャルスタイル理論」をもとに分けてみましょう。

ソーシャルスタイル理論 

ソーシャルスタイル理論とは、物事の考え方や意思決定・判断の仕方、感情表現の表し方により人を4つのタイプに分けて考える理論です。私が長年所属していたリクルートグループでは、ソーシャルスタイルを研修で学び、マネジメントや営業・対人対応のさまざまな場面で活用してきました。

身近な人を思い浮かべながら、どのタイプにあてはまるか想像しながら読んでみてください。

ドライバー(行動派):はっきりした主張を持ち、統率的

独立心・競争心が強いリーダー気質。指示や命令が一方的になることも多く、相手の話を聞くのは苦手。優柔不断な態度をとるとイライラすることも。即断即決が得意で、大筋を掴んでテキパキ進める力を持ち、頼れる人でもあります。

<合わせ方>

まどろっこしい会話や雑談が嫌いなタイプなので、結論を先に持っていき、端的に話すのがポイント。自分のことは自分で決めたいので、提案をするときは23パターンを用意して選ばせるとスムーズです。

アナリティカル(思考派):細部にこだわり、整合性を大切にする

控え目で、イエス・ノーを即答はしません。粘り強さを持ち、慎重に検討して最善解を出していきます。仕事は速さよりも質の高さを求め、形式や論理を重視する傾向があります。マイペースで空気を読まない人に見えることも。

<合わせ方>

事実を細かく伝えて、分析できる材料を与えましょう。修正の依頼をするときも、なぜ修正の必要があるかを論理的に伝えると確実に処理してくれます。自分のペースで進めたいので、急かしたり話している途中で口を挟むのはNG

エクスプレッシブ(感覚派):前向きでみんなのムードを盛り上げる

明るくノリの良いムードメーカーで、話し好き。面倒見がよく、相手を気にかけフォローしてくれるので、部下や後輩から慕われる存在です。一方で、細かいことをあまり気にせず、話を盛ったり、その場の勢いで物事を決める傾向も。

<合わせ方>

頭でっかちな議論には興味がないので、まずは行動あるのみ。本人が先陣を切るタイプなので、細かい部分を裏方でサポートすると喜ばれます。質問をするときはABの選択方式より、自由に発想できる質問を好みますが、話が広がって脱線しないように注意しましょう。

エミアブル(協調派):自分より人を優先し、主役より脇役を好む

親しみやすく、周囲に協力的で、縁の下の力持ち的存在。仕事は丁寧で人当たりも良いのですが、意見の主張やリーダー的な役割は苦手です。人間関係を大事にするあまり頼みごとを断りきれず、仕事を引き受けすぎて手一杯になる人も

<合わせ方>

断定的な言い方は避け、話しやすい雰囲気をつくりましょう。主体的に動くことが苦手なので、依頼するときは明確な手順を示してあげればスムーズです。いつも脇役に徹して評価される機会も少ないため、「あなたのおかげで助かった」と感謝を伝えると喜ばれます。

「そういう人」と割り切れば、苦手意識も薄れる

周りの人達がどんなタイプが、なんとなく見えてきたでしょうか。このように、タイプによって考え方や言動は明確に違います。それを知っておくだけでも、自分が思ったような反応がなくても、「このタイプの人ならそうだよね」と割り切れば、苦手意識も薄れるはずです。

また、自分がどのタイプかも確認しておきましょう。自分がとりがちな言動も客観的に把握でき、気をつけるべき場面でコントロールしやすくなります。

あらゆる人に合わせられる力を磨けば、認識ズレも少なくなり、仕事も人間関係もうまくいくはずです。ぜひ工夫してみてください。

監修/斉藤由美子 取材・構成/大浦綾子