家事の不満を点数化で解消する夫婦

「保育園や学校のやりとりは私ばかりでムカつく…」「部屋を散らかすのは夫(と子ども)で片付けるのは私ってさぁ!」。家事に関する夫への不満はつきません。どうすれば解消できるのでしょうか。アンガーマネジメントコンサルタントの松井晴香さんに聞きました。キーワードは「点数づけ」です。

「まだ掃除しないの?」VS「もう掃除するの?」

料理、掃除や片づけ、それに子どもの関連行事など、家事・育児問題のイライラは、私のところにもとても多く寄せられる相談ごとです。この問題の本質は、夫婦間で家事への「程度差」があることです。

「家事を大事だと思っていない」話ではないんですね。もっとこまかく見ると「部屋の床はどれくらいまで散らかっていてもOKか」、あるいは「ゴミ出しが1日ズレたからって問題ないと思っているか否か」といった、家事の“程度“や“頻度”に差があることこそが原因です。

だから、例えば妻が「なんで、こんなに散らかっているのに部屋を掃除しないの!」と目くじらを立てても、「なんで…って、これくらいでなんで?」と夫には響かないことも。そもそも夫の意識にある「この程度の散らかり具合なら、きれいなほうだろ」とは温度差があるからです。水が半分入った同じコップを見て“まだ半分ある”と楽観的な人と、“もう半分しかない”と焦る人がいるのと同じ理屈ですね。

アンガーマネジメントの手法で解決するならば、夫婦のこの程度差を「見える化」することに尽きます。

家事の「すべき」を点数化。ゴミ出しは6点、皿洗いは?

すると自分はどういうことにを大切にしているのか具体的に見えてきます。そして「べき」に優先順位がつけられるようになれば、「あ、このシチュエーションはイラッとしやすいぞ」とか「優先順位の高いものから片付けた方がいいな」と、事前に危険を察知できる。イラッとする前に「逃げる」なり「気をつける」なりの予防策をとりやすくなるわけです。

この「べき」の点数づけを、夫婦で「家事」をテーマにやってみましょう。5段階の基準は「その家事を自分がどれくらい重要だと思っているか」です。

たとえば「ゴミ出し」。週ごとに違う分別ゴミが収集される面倒があり、各部屋のゴミ箱も効率的に集めて、1つにまとめる妻は「ゴミ出しはこまめにすべき=6点」とつけたとします。けれど、夫は「ゴミ出しなんて気づいた時にすればいい=3点」などとつけるのではないでしょうか。

このギャップが、解決のカギです。妻のゴミ出しの手順やこまめにする理由を聞くにつれ、「えっ、そこまで大変な作業なんだ」と、夫は驚きとともに理解を示すはず。逆に妻も「そうか。ゴミ出しの流れや、こまめにしなきゃいけない理由を知らなかったのか」と理解すれば、夫の気持ちに納得します。生活をする上での「べき」を一方的に押し付けるのではなく、お互いを理解しながら価値観をすり合わせていくことができます。

ゴミ出しするべき、服は脱ぎ捨てるべきじゃない、夕飯が要らないなら早めに連絡すべきなど、イライラすることがたくさんあっても、一度にすべてを伝えてしまうと「自分の考えばかり押し付けるな!」とお互いにヒートアップしてしまいます。優先順位度の高いことから手を付けていけると、相手にも負担にならずに、自然と気遣い合うきっかけにもなるはずです。

「掃除」「洗濯」「送り迎え」。あらゆる項目で家事を洗い出して「〜すべき」に点数づけするとき、より具体的な解決策まで話し合えればベスト。ふだんの家事や育児のスレ違いがなくなり、イライラすることが減るはずです。

監修/松井晴香 取材・構成/箱田高樹 イラスト/ナカオテッペイ