保育園に通うお子さんがいる家庭では、小学校入学後、放課後を過ごす場所として「学童」こと学童保育(放課後児童クラブ)を予定していることでしょう。

地域によっては、公立の学童がいっぱいで待機児童が出ているところもありますが、それを補うように民間の会社が運営する「民間学童」も増えてきています。

今回は、学童保育について「公立と民間の違いがよく分からない」「わが家にはどっちが合っているの?」といった疑問にお答えしていきます。

民間学童・児童クラブとは?公立とどう違う?

学童保育は通称「学童」と呼ばれていますが、厚生労働省では「放課後児童クラブ」という名称で統一しています。

その厚生労働省が2020年末に発表したデータによると、全国にある学童保育の数は現在約2万6000か所。

そのうち、市町村などの自治体が設立運営している「公立公営」の学童は約30%で、設立運営とも民間の会社が行う「民立民営」の施設は約22%。残り半分にあたる約48%は、設立は国や自治体ですが運営は社会福祉法人やNPO法人などが請け負う「公立民営」の保育園です。

  • 公立公営…30.4%
  • 公立民営…47.9%
  • 民立民営…21.7%

民営の学童の割合は前年度と比べて3%増、これからも増えていくのではないかと予想されています。

公立の学童は、小学校の空き教室や敷地内、または児童館などにあることが多く、通学路や学校の側で見かけるのはおおむね公立の学童と考えてよいでしょう。

運営は民間に委託している場合も多いですが、公立の学童はいずれも「放課後児童健全育成事業」の対象となっています。

公立の学童に共通するのは次のような点。

  • 保護者が働いているなどの証明が必要
  • 目的は、放課後の適切な遊びや生活の場を提供し、子どもの健全な育成を図ること
  • 月々の費用は5000円程度が多く、1万円を超えることはほとんどない
  • 預かり時間は18時〜19時頃までのところが多い
  • 保護者が運営や行事などに参加要請されることが多い

費用が安い反面、預かり時間は短めです。おやつを食べて宿題をする時間以外は、基本的に自由に遊んで過ごします。

「民間学童」の特徴とメリット・デメリット

一方、民間企業などが設立する「民間学童」は、子どもに放課後の居場所と豊かな時間を提供するという目的は同じですが、「放課後児童健全育成事業」の対象となっていないため、具体的な過ごし方やプログラムは各施設に任されています。

公立の学童との大きな違いは「保護者が働いている」などの条件がなく、空きがあれば誰でも入れること。

預かり時間も施設ごとにさまざまで、なかには親の残業に対応するため夜10時までというところもあります。もちろん夕食も出してもらえます。

また多くの民間学童では、教室やスクールと連携して、ピアノやバレエ・水泳・体操・英会話などのレッスンも用意しています。

公立の学童のように、持ち回りで役員を担当し行事や作業に時間を割く必要もありません。

ただし費用は公立学童よりも高いことが多く、フルタイムで利用し、時々残業で夜遅くまで預かってもらうとすると1か月あたり5万円以上かかることも珍しくありません。

オプションとして習い事や学習のサポートをセットすると追加料金が発生するほか、夏休みなどで朝から通えばさらに費用は高くなります。

その他のデメリットとしては、公立の学童には同じ小学校の子どもたちが集まっているのに対し、民間学童は学区や学校と関係なく駅前のビル内などにあることも多いため、学校のクラスの友達と放課後をともに過ごせないという点もあります。

ただ、上記は見方を変えればいろいろな学区から来ている子と友達になり世界が広がるというメリットにもなり得るため、お子さんの性格などをよく観察して判断するのが良いでしょう。

わが家はどちらが向いている?学童の選び方

「公立の学童と民間学童の違いは分かったけど、うちはどっちが合っているのか」と迷う人もいるかと思います。

一般的には、次のような家庭であれば民間学童を検討するのも良いのではないでしょうか。

  • 残業で帰宅が夜8時以降になることがある
  • 近くに祖父母など頼る身内がいない
  • 放課後をただ遊んで過ごすのが心配
  • 平日にもなにかスポーツや習い事をさせたい
  • 保護者が運営を手伝う余裕がない

反対に公立の方が向いていると思われるのは次のような場合です。

  • 費用は月5000円程度に抑えたい
  • 学校の同級生と放課後を過ごさせたい
  • 残業が少なく、ほぼ18時台には迎えに行ける

おわりに

ひとことで「学童」といっても、公立と民間ではまったく内容が異なる場合もあることがお分かりいただけたと思います。

小学校入学が近付き「学童どうしよう」と迷っている方は、今回の記事も参考に、近隣の学童の情報を集め、お子さんに合った学童はどこか検討をはじめてみてはいかがでしょうか。

文/高谷みえこ
参考/