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こんにちは。メンズカウンセラーの中村カズノリです。

夫婦関係に問題を感じている読者の悩みの解決方法を探っていく本連載。今回は「自分はパートナーに依存しすぎているのではないか」と悩む、夫と小学生のお子さん2人と4人で暮らすUさんにお話を伺いました。

Uさんの相談内容

わが家は核家族で祖父母を頼れる環境にないぶん、夫が家事育児に協力的で、上の子が生まれた頃から、「手伝う」というスタンスではなく、主体的に関わってくれています。

もともと私自身、「経済的にも精神的にも、夫婦それぞれ自立しているのが当然」と考えるタイプだったのですが、激務で体調を崩してしまい、休職後に転職して以来、すっかり夫に頼るようになってしまって…。

協力的な夫に感謝する反面、「自分は夫に甘えすぎているのでは」「こんなことでちゃんと子育てをしていけるのかな」と悩んでしまいます。

夫に甘えすぎている私は妻も母も失格なのだろうか…

日々仕事と家事の両立で疲弊し、「子どもを実家に預けたり、手伝いに来てもらったりしている人が羨ましい」と話すUさん。

とはいえ、「2人の子どもなのだから、2人で育てるのが当たり前」という考えのパートナーとは協力し合えているとのこと。子育て世代は働き盛りでもあり、「言うは易し行うは難し」という場合が多いのですが、実践できているのは素晴らしいことです。

僕から見れば、Uさんも十二分に頑張っていると思います。

学童のお迎えがあって残業できない状況のため、早朝に出勤して仕事を片づけたりしていれば、どうしても時間がたりませんし、気力も体力も追いつきません。

疲弊した女性

そんななか、お子さんたちにも「家族」というチームの一員として家事への協力を求めたり、時短のためにドラム式洗濯機を導入したりと、家族が笑顔でいるためにラクをする努力や工夫をしているのも素敵です。

夫婦でお互いに「ありがとう」や、「今日は頑張った」「大変だった」と言い合うことはありますか?と質問したところ、「よくあります」と即答されたのにも感心しました。

Uさんは“思ったことは溜め込まないタイプ”とのことですが、伝え方には気をつけているそう。例えば「電気代の節約のためにトイレのフタは閉めてほしい」といった要望を家族に伝える際にも、攻撃的にならないようユーモアを交えて話すようにしていると言います。こういう気遣いって大事です。円満の秘訣なんですよね。

そんな良好な関係の中でも、何だかんだで不安の種は尽きないと言うUさん。こういう方は意外と多いのではないでしょうか。そういう芽が出てしまったときにはどうしたらいいのか、考えていきたいと思います。

過去の辛い経験、高すぎる理想…不安がどんどん膨らんでいくことも

Uさんの場合、現在のところは夫婦間に特に大きな問題は起きていません。

それでも「もし自分が働けなくなったら、夫が病気にでもなったら…」とつい考えてしまうそうです。その理由として、経済的に余裕のない家庭で育ち、子どもの頃に学用品を買うにも苦労した経験があるせいで、経済的な不安がつきまとってしまうのかもしれないとご自身で分析していました。

また、下の子が生まれた際に、いわゆる「上の子かわいくない症候群」のような状態に陥ってしまったこともあるとのこと。Uさんがそのことをパートナーに正直に話したところ、気持ちを受け止めてくれたうえで「俺はどっちも等しく可愛いけどな」と言ってくれたそうです。

産後はホルモンバランスも乱れますし、下の子にはどうしても手がかかるので、「もう大きいんだから、自分のことは自分でやってほしい」と上の子に過度な期待をしてしまうこともあります。そんなときにパートナーが気持ちを受け止め、上の子のフォローを引き受けてくれたことは、Uさんにとって物理的にも精神的にも救われた出来事だったでしょう。

「このままじゃいけない」というUさんの努力もあって、今は少しずつ上の子との関係も改善に向かっているよう。夫婦で乗り越えつつあるということなのだと思います。

ただ、Uさんからすると、自分の気持ちを受け止めてくれたり、帰宅後に疲れた顔をしつつも「大丈夫」と言って家事をしてくれたりするパートナーの態度に不安を感じてしまうと言います。外からは負担が見えにくく、無理をさせていないかと心配になってしまうんですね。

小さな不安を放置せず小出しにして伝える

そこで僕からは「そういったUさんが不安に感じている部分を正直にパートナーに打ち明けてみてはどうですか?」と提案しました。

お互いにわかり合えていると思っていても、意外に小さな不満や不安は「なあなあ」で済ませてしまいがち。あえて言葉にして伝えないと、伝わらないことが多いんです。

それに、Uさんから自分自身の不安を伝えることで、パートナーも安心して、本人の不満や不安を話してくれるようにもなるかもしれません。

いきなり全部をバーンとぶつけてしまうとバランスを崩してしまうパターンもありますが、Uさん夫婦の場合は普段からコミュニケーションが取れているようです。適度な距離感が掴めているふたりだからこそ、細かに話し合うのがいちばんだと思います。

Uさん自身の悩みを伝えることをきっかけに、パートナーの弱音をヒアリングし、最終的に「お互いなかなか大変だけど、どうにか力を合わせて乗りきっていきましょう」と合意できると、状況自体は変わらなくても、気持ちの面ではだいぶラクになるはずです。

共通の趣味や志向を持ち合わせている夫婦は強い

Uさん夫婦の良好な関係のポイントとして、共通の趣味があることも挙げられます。ありがちな趣味関係の出費に対する「嫁ブロック」が発生しないのは、パートナーにとってもありがたいでしょう。

お子さんが小さいときも一緒に出かけ、交代で子守りをしながら楽しんできたそうで、どちらかが一方的に我慢するというのでない、理想的な関係だと思います。

Uさんのような素敵なご夫婦がもっともっと増えていけばいいなと願っています。

文/中村カズノリ イラスト/竹田匡志