千葉県 熊谷俊人 知事
「これからの未来を、過去振り返りながら、県民と一緒に考えていく。そうした明るい希望を感じられる一年にしたい」

 千葉県は1873年に当時の木更津県と印旛県が合併したことで誕生し、2023年の6月に誕生150周年を迎えます。

 県ではこれに合わせて、6月に記念式典を実施するほか、市町村主体のお祭りや芸術祭などの行事の開催も想定していて、熊谷知事はこの周年の年を契機に、県民に「オール千葉」としての実感を持ってほしいと話します。

千葉県 熊谷俊人 知事
「それぞれの地域色が豊かなことが、県の特徴だと思う。地域の文化や歴史に光を当てて、例えば芸術祭が市町村の枠を超えて広域的に行われるよう、県としてサポートしたり、もしくは150周年を契機に、これから未来に受け継いでいく新たな事業が生み出されるよう、記念事業で取り組んでいきたい。“オール千葉”としての実感を持ってもらえるように、県としては展開していきたい」

 こうしたイベント事業が増える一方で、依然として心配なのが新型コロナウイルスの今後の状況です。

 熊谷知事は、現在の感染状況を前提とした場合、医療提供体制を整えつつも、コロナ禍前の日常を取り戻すため、2023年は「さらに一歩進めたい」としています。

千葉県 熊谷俊人 知事
「徐々に日常生活を取り戻しながら(感染対策との)両立を模索できるようになった。これが一番、昨年大きかった。ことしはその流れの中で、私たちの生活や子ども達の機会を慎重に見極めながら取り戻して行く。まさに正常化に向けた取り組みをほぼ完成させていかなければいけないのが、2023年だと思う」
「例えば、子どもたちの給食の黙食の見直しも含め、これから子どもたちの機会を取り戻していく。さらには若者も非常に大きな影響を受けているので、そうした部分を取り戻していく」
「高齢者もかなり人と会うの制限してきたり、運動習慣の低下などの状況が見られているので、しっかりとした対策を行えば、人と会うことや人と交わること、そして運動することなど、コミュニティ活動も大いに行ってほしいと思っているので、そうした取り組みをあと押しするメッセージも出すが、県民にも積極的に萎縮することなく行動してほしい」

 一方で、熊谷知事は2023年の春に就任から丸2年、いわば1期目の“折り返し地点”となります。
 熊谷知事は今の千葉県が持つ課題の一つとして、産業誘致やインフラの整備に合わせて地域を開発していくことの重要性を挙げ、3年目は、特にこうした経済・産業についての政策を加速化させていきたいとしています。

千葉県 熊谷俊人 知事
「私にとっては、千葉県をこの方向に、より充実させていくと決めた物事が姿として現れてくる。(去年までに)54市町村が抱える課題を、直接市長や町長、関係者からヒアリングができたことがまず大きいと思う」
「10年後、20年後を見据えて、それぞれの地域にどういう産業を呼び込んでいくのか、例えば成田空港の機能強化や、高速道路ネットワークの整備などに合わせて、市町村と一緒にどの地域を開発をしていくのか、そのためにどういう民間との連携をしていくのか」
「残念ながら、いままでの蓄積で、県内には産業用地がほとんどない。中長期的な目線での産業ビジョンの策定や、産業用地の整備が十分に行われてこなかった県なので、それがことし、県民に見える形で始まっていくのではと思う」

 最後に、熊谷知事に2023年の抱負を伺いました。

千葉県 熊谷俊人 知事
「『芽吹き』。2022年に様々な政策の種を、職員とともに撒いてきたので、これが芽吹いてきて大きく成長していく。その最初の第一歩にあたるのが2023年だと思っているので、私自身が取り組んできた政策の種が芽吹いてくるということ。それから県民のそれぞれの県の地域の魅力が 芽吹いてくる。そうした希望を感じられるような一年にしていく。そういう決意を込めての言葉」
「2023年も様々な課題はあるが、果敢にチャレンジしていき、千葉県の未来を切り拓いていく1年にしたいと思う。県民にとって、2023年が幸多き年になることを心から祈り、県民と一緒に歩む年にしたいと思う」