昭和初期、日米友好の証しとして贈られた人形をテーマにしたミュージカル「青い目の人形〜甲南のメリーさん」(中日新聞社など後援)が十六日、甲賀市甲南町の「忍(しのび)の里プララ」で上演された。活動を提唱した米国人宣教師シドニー・ギューリック氏の孫デニーさん(80)、フランシスさん(76)夫妻も招かれ、鑑賞した。
 ミュージカルは、地域文化を掘り起こす活動をしているNPO法人「甲賀文化輝き」がこれまでに三回上演。今回は、デニーさんの観劇要望を受けて急きょ短縮版を制作した。
 地元の甲南第二小に残る人形「メリー」を巡る秘話。公募などによる県内外からの出演者二十六人は、人形を託した米国の子どもたちの思いや、戦時中に敵国の人形として処分を命じられながらもひそかに守り継いだ日本の教師たちの姿を、歌やダンスを交えて生き生きと演じた。
 上演前には同校のほか、大津市平野小、日野町日野小、彦根市稲枝北小の関係者が、各校に残る人形を紹介。日野小の児童たちは、人形が正面玄関のガラスケースに飾られ、水を飲むなどのうわさ話が広がっているというエピソードを紹介し、来場した五百人の笑いを誘っていた。
 デニーさん夫妻は「日米両国の人々に友情や愛、平和をもたらす人形のメッセージを、会場の皆さんと共有することができた」と感慨深げに話した。

 (築山栄太郎)