今大会注目の“湖北対決”となった虎姫(長浜市)と伊吹(米原市)の一戦。両校は小、中学校からの同級生も多い中、かつてバッテリーを組んだ二人が火花を散らした。
 虎姫の小幡駿投手(三年)は、一年の夏から背番号1を任され、打線でも中軸に座り、主将も務めるチームの顔。対する伊吹の捕手、小林瞭太朗主将(同)とは、野球を始めた小学校からの幼なじみだ。
 長浜北中では、小林瞭主将が投手で、小幡投手が捕手。今回はポジションが逆になり、因縁の一戦で相まみえた。
 「正直ずっと一緒に野球をやってきたので戦いたくはなかった」と小幡投手。抽選会があった先月二十八日、会場まで一緒に行ったが、組み合わせが決まった帰り道は、互いに言葉少なだった。「試合当日はベストを尽くそう」と誓い、“戦闘モード”になるため、その後は一切連絡を取り合わなかった。
 この日、小幡投手は立ち上がりこそ不安定だったが、四回以降は本来の姿を取り戻す快投ぶり。三度あった小林瞭主将との対戦では、二回に安打を許したが残りは抑えた。一方、虎姫打線は相手投手を攻めきれず、試合は小林瞭主将の伊吹に軍配が上がった。
 試合後、ようやく会話を交わした二人。小幡投手が涙を浮かべ、「甲子園、必ず行ってくれよ」と抱き締めると、小林瞭主将は「分かってるから」とだけ答えた。

 (大橋貴史)