同点の十一回表、2死満塁。本巣松陽のエース本間太一選手(三年)は笑っていた。「ここまでやってきた自分の投球を信じて、思いっきり腕を振った」。思いを込めて投じた一球。しかし、走者一掃の中越え三塁打とされ、二日間にわたる激闘の行方が決した。
 前日は十五回を完投し、210球を投げた。再試合は四番・右翼で先発出場し、六回からマウンドへ。「(先発投手の)長屋が頑張ってくれたから、自分も頑張らなきゃって」。マウンドに上がると、疲れは吹き飛んだ。「やっぱり楽しいと感じますね」
 球速は前日より落ちたが「力のない分、気持ちで投げた」。いきなりの2死満塁のピンチを切り抜けると、直球と変化球を織り交ぜた粘投で七、八回とゼロに抑えた。八回の攻撃では、1死二塁で反撃ムードを盛り上げる中前適時打を放ち、攻守に躍動した。
 体力と気力を振り絞り、この日も93球を投げた。九回に追いつかれ、二日連続の延長戦となり、十一回に力尽きた。「打たれてしまったけど、昨日、今日と最後まで良い試合ができたので悔いはない。精神的にも成長できた」。すがすがしい表情でエースの気概を見せた。

 (下條大樹)