第九十九回全国高校野球選手権愛知大会は六日目の十六日、県内十球場で三回戦の二十試合が行われた。

 初戦となったシード八校のうち愛産大三河が愛知啓成に敗れる波乱があったが、他の七校は順当勝ち。前回大会で準優勝の愛工大名電は中部大春日丘との延長戦を制し、半田と東浦もそれぞれサヨナラ勝ちした。七日目の十七日は、県内六球場で三回戦の十二試合が予定されている。
◆けがを乗り越え気迫の投球 中部大春日丘・筋師投手
 五回1死二、三塁のピンチ。中部大春日丘の筋師(すじし)祐樹投手(二年)は「既にへろへろでした」と振り返ったが、気迫は負けていなかった。打者を三直に打ち取り、飛び出した三走もタッチアウト。併殺で切り抜けた。
 昨秋の一年生大会後、腰のけがや、ろっ骨の疲労骨折で3カ月間離脱。冬の走り込みができず、体力面で不安を抱えていた。四日前、斉藤真監督から「完投させるつもりでマウンドにあげる」と先発を告げられた。「初回からとばさないと勝てない」と一回から全力投球。五回で体力は限界に近づいていた。
 「おまえは気持ちだぞ」とベンチからの声が聞こえた。「八割方気持ちだけで投げてました」と筋師投手。カットボールでバットの芯を外し、凡打の山を築いた。強打の愛工大名電相手に、8回を5安打無失点。「おまえが踏ん張ってくれていい試合ができている。ありがとう」とエースの牛田紘代投手(三年)に声を掛けられ、後を託した。
 最後は延長で力尽き敗戦。「いくらいい投球をしても、チームが勝たなきゃ意味がない。接戦で勝てる投手になりたい」と、その目は先を見据える。「先輩たちの気持ちを背負って、来年は名電に勝ちたい」と雪辱に燃える。

 (森本尚平)